月間
ホラーの短編ランキング

2万文字未満かつ完結済の作品を直近30日間のデータで集計しています。
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    義母は私の身体を奪おうとしている――私の中に三千六百匹の蟲がいるとも知らずに/

    闇サイトで呪物人形を売るようになって、三年になる。  ある日の午後、見知らぬアカウントから依頼が入った。挨拶も名乗りもなく、最初に届いたのは妙な質問だった。 「魂移しをしたら、元の持ち主を身体から追い出すまで何日くらいかかる?」  適当な日数を返すと、すぐに資料が送られてきた。作ってほしいのは、「命写しの人形」だという。  氏名だけが伏せられ、生年月日、出生時刻、出生地、旧姓が並んでいた。  画面を見たまま、彫刻刀を持つ手が止まった。  私の情報だった。  試しに500万円と返した。  数分後、指定していた決済先に500万円分の入金が反映された。値切る気はないらしい。  その日の夜。  結婚して三年になる夫、御厨壮真が、小さな黒い守り袋を持って帰ってきた。  自分の手で私の首に掛け、紐を念入りに結ぶ。 「千景、母さんがわざわざ作ってもらったんだ。しばらく外すなよ。風呂でも寝るときでも」  隠しきれないほど期待に満ちた顔を見て、少しだけ知りたくなった。  500万円払って、妻の命を買った男。  私の身体に、誰を住まわせるつもりなのだろう。
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  4. 書籍化作品2026年9月26日発売

    【WEB版】転生した空間魔法使いは正体隠して目立ちたい!~それ俺ですとは言いません~/

    書籍版のタイトルに変更いたします。よろしくお願いします。 『転生チートの空間魔法使いは正体隠して目立ちたい!~国でもトップレベルの美人・美少女パーティに探されてますが、それ俺ですとは言えません~』→『転生した空間魔法使いは正体隠して目立ちたい!』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「謎の実力者ムーブして目立てるのでは?」 東山東里(ひがしやまとうり)25歳。 異世界転生を果たし、神様から授かった(くじ引き)力を得たことで長年の夢であった憧れを叶えようとする。 それすなわち、『謎の実力者ムーブで目立って、その噂を酒場の端っこで耳にしながらうまい酒を飲む』こと。 そんな彼は転生してすぐに理想のシチュエーションに出くわした! ボロボロの騎士、倒れる仲間。そして対峙する魔物。 顔を隠したトーリは颯爽と現れて魔物を撃退! ピンチに現れた謎の魔法使いとして噂になると考えた主人公。 だが、助けたのは国でもトップレベルの冒険者パーティ。撃退したのは最強と呼ばれる魔物。 考えてた以上の規模に、酒でニヤニヤするどころか冷や汗ダラダラの主人公。 果たして、うまい酒を飲める日は来るのか。 いやきっとくる……!(願望) ◇ 皆様のおかげで、過去日間週間月間年間ランキングで1位を獲得できました! ありがとうございます! 現在3000万PV突破しました! MFブックス10周年記念コンテスト 大賞受賞しました! ありがとうございます! 書籍1巻、2巻、コミカライズ1巻、2巻発売中! この作品は小説家になろうにも掲載しています。
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    事故物件に泊まって4日目、床下の日記に俺の名前があった/

     俺の仕事は、事故物件に泊まることだ。  幽霊を祓うわけでも、霊感があるわけでもない。不動産会社や投資家から依頼を受け、数日間そこで暮らし、夜間の騒音や臭い、設備の状態を確認して報告書を出す。  今回の依頼主は蒼栄不動産だった。報酬は10万円。場所は海凪県(みなぎけん)霧浜市(きりはまし)にあるマンションの一室で、少し前に人が死んだばかりだという。  担当の坂口剛から聞かされた話では、前の住人は主寝室で首を吊ったらしい。3か月ほど空室になっていたが、購入を検討している客が現れ、契約前に実際の居住状況を確かめたいと言い出したそうだ。  3晩泊まったが、何も起きなかった。  4日目の朝。荷物をまとめようとして、ベッドの下に1枚だけ色の違う床材があることに気づいた。  バールを差し込み、板を持ち上げる。  下から出てきたのは、黒い表紙の日記帳だった。  最後のページだけ、文字がひどく乱れている。 「この調査員は人間じゃない! 毎晩、俺のベッドのそばに立って、寝ているところを見ている!」  日付は10月14日。  俺が1404号室へ入った日だった。  最後の感嘆符を指でなぞると、指先が黒く染まった。  インクが乾いていない。  そのとき、玄関の鍵が回った。  坂口が書類の束を抱えて入ってくる。客を相手にするときの、あの愛想のいい笑みを浮かべていた。 「相沢さん、どうでした? 3晩泊まって、別に何もなかったでしょう。前にいた人、精神的にかなり参ってたらしいんですよ。誰かに見られてるとか言って。報告書、できました?」  日記帳をテーブルに置き、坂口の方へ押した。 「坂口さん。あなたが言ってた、ここで首を吊った前の住人」  坂口の目が日記へ落ちる。 「この部屋では死んでないんじゃないですか?」  口元の笑みが止まった。  その時点では、まだ日記の方ばかり気にしていた。  1404号室から、本来あるはずの空間が消えていることには、もう気づいていた。
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    姉が死んで三日後、村中全員の骨が腐り始めた/

    姉の身体からは、不思議な香りがした。  金木犀とも桜とも違う。熟れた野の実を、冷たく湿った古木の奥に埋めたような、甘く重たい香りだった。いつまでも嗅いでいると、身体の芯までじんわり温まってくる。  母は金のために姉を西側の離れに閉じ込め、集落の人々に香りを嗅がせていた。  最初に訪れたのは、重い病を患った老人だった。その後、長年咳に苦しむ男や、足腰の弱った女がやって来た。香りを嗅げば厄が落ち、運までよくなるという噂を聞きつけ、遠くから訪ねてくる者もいた。  彼らは金を持って家を訪れ、帰る頃には命拾いでもしたかのような顔をしていた。姉の香りを褒め、その不思議な力を会う人ごとに語って回った。  姉は日に日に痩せていった。それなのに、身体から漂う香りだけは、ますます濃くなっていった。  その年の冬、母は十万円を受け取り、姉に香りを強める薬を飲ませた。  大勢の人間が見守るなか、姉は自分の手首を力任せに折った。砕けた骨が皮膚を突き破り、血が壁に飛び散った。  途端に、むせ返るほど甘い香りが部屋いっぱいに広がった。  人々は姉を取り囲み、最後の一滴まで搾り取るように香りを吸い込んだ。母は戸口に立ち、姉の血がついた手で、受け取ったばかりの札束を数えていた。  姉は死んだ。  息を引き取る直前、姉は言った。 「私から奪ったものは、みんな返してもらうから」  通夜の晩、姉の棺の中から、鈍い音が三度響いた。  三日後、香りを嗅いだ者たちの身体が腐り始めた。村長は砕けた骨を吐きながら我が家の庭へ這い寄り、母に金を返せと泣き叫んだ。  母もまた、金箱を抱えたまま手首が裂け、黒く腐った骨が皮膚の下から突き出してきた。  それでも、この借りはまだ清算しきれていない。  私は知っていた。
  7. 6話分無料

  8. 鬼教官として名高い騎士団の「ハズレ師匠」に転生した。落ちこぼれの新人を史上最強に育て上げたら、なぜか聖女や王女まで弟子入り志願してくるんだが?/

    【書籍化&コミカライズ決定しました。ありがとうございます】 ◎書籍版第1巻は10月1日、富士見ファンタジア文庫から発売予定◎ 過労死した俺が転生したのは、やりこんだRPGの嫌われ者モブ教官「カイエン」。才能のない新人を潰すことで有名な「ハズレ師匠」だ。 そんな俺が最初に担当することになったのは、原作では心を折られて退団する運命の少女「リナ」。 「この子のバッドエンドな未来なんて、俺が変えてやる!」 決意した俺は、原作知識をフル活用。一見無意味で過酷な訓練を課していく。それは全て、ゲームの仕様の穴を突く、隠しステータスを解放するための育成法だった。 結果、落ちこぼれだったリナは王国最強の騎士へと覚醒!するとその噂を聞きつけた聖女や王女様までが「私もしごいてください!」と押しかけてきて……!? これは、ただのゲーマーが悪名高い鬼教官の仮面を被り、勘違いされながら落ちこぼれたちを救っていく物語。 ★9/02 日間総合ランキング1位、ありがとうございます! ★9/04 週間総合ランキング1位、ありがとうございます! ★9/16 月間総合ランキング1位、ありがとうございます! ※小説家になろうなどにも投稿しています。
  9. 64

    お菓子をくれなかったママへ/

    いわゆる中流階級の整った戸建て住宅。医者である父親は家に帰らず、教育熱心な母親の過度な管理と冷徹な視線だけが、小学四年生の蓮(れん)を縛りつけていた。 「虫歯になる」「頭の回転が鈍る」――そんな理由ですべてのお菓子を取り上げられ、友達と遊ぶ自由もなく、蓮の心身はすでに限界を迎えていた。 ​そして、ハロウィンの日。 逃げるように家を飛び出し、夕暮れの公園のブランコに揺られていた蓮の前に、信じられない光景が広がる。 いつも冷たかったはずの母親が、見慣れないほど優しい微笑みを浮かべ、見たこともないほど大きなお菓子を持っていたのだ。 ​「さあ、お家に帰りましょう。好きなだけお菓子を食べようね」 ​その温もりに導かれるまま、蓮は母親の手を取る。 二人が足を踏み入れたのは、夕闇のなかにぽっかりと空いた、底知れぬ黒い穴だった――。 ​少年が消えた後のもぬけの殻となった家で、母親の狂気に満ちた金切り声だけが、いつまでも響き渡る。 ​切なさと恐怖が交錯する、現代のダーク・ハロウィン・ホラー。
    • 完結済 1話
    • 1,818文字
    • 更新
  10. 81

    空白/

    「マツタケを採りに行く」男性2人が山中で行方不明 私有地に無断立ち入りか 府警と消防が捜索 〇〇府〇〇町の山中で、マツタケ採りに出かけたとみられる府外の大学生二人の行方が、きのう午後からわからなくなっている。府警と消防はけさから捜索を再開した。 行方がわからなくなっているのは、〇〇市の会社員・田村瑛人さん(23)と、同市の大学院生・森川楓さん(24)。 府警によると、二人はきのう午前10時ごろ、知人に対し「山のほうでマツタケが採れるらしい」と話して車で出発。その後、午後3時すぎに家族が電話をかけたがつながらず、夜になっても帰宅しなかったため、家族が警察へ届け出た。 二人が乗っていた軽乗用車は同日午後9時ごろ、〇〇町の林道で発見された。車内に財布やスマートフォンは残されておらず、府警は二人が山中へ入ったあと、何らかの理由で戻れなくなった可能性があるとみている。 軽乗用車が発見された現場周辺は個人所有の山林で、入り口には鉄柵があり、二人は乗り越えて山中へ入った可能性があるとみて、府警が確認を進めている。 〇〇町では今月に入り、クマの目撃情報が多数寄せられている。府警は遭難と野生動物による事故の両面から調べを進めるとともに、周辺住民に対し、不要な入山を控えるよう呼びかけている。
    • 完結済 1話
    • 8,498文字
    • 更新
  11. 【書籍化】刀使いの悪役貴族〜悪役貴族に転生した俺、最弱と思われている最強武器『刀』で破滅エンドを回避する〜/

    ※第一回GAウェブ小説コンテスト、<特別賞>受賞。 書籍版発売中!! グランノルド・フォン・ヴィルハイム。 それは『イシュタリア』というゲームに登場する悪役貴族だ。 勇者の末裔にも関わらず、己の血筋に驕り自惚れ、最後は主人公に倒される……だけではなく、主人公が何もしなくても、自業自得で勝手に死んでるような、破滅が確約されているキャラだ。 俺はそのグランノルドに転生してしまった。このままでは、俺も破滅してしまう! だが、前世の記憶が残っている俺には原作知識という、最高の転生特典がある。 破滅エンド回避の鍵は、この世界じゃ見下されている武器、『刀』だ。 実はこのゲーム、下手な伝説の武器や魔法より、『刀』の方が強かったりする。 みんなそのことに気付いてないが、俺だけは刀の超高性能っぷりを知っているのだ。 俺は決意する。『刀』を使ってみんなを見返し、そして死亡フラグごと斬り捨てる! そして今生こそ、幸せに生き抜いてやるのだ!