恐怖の先を読書に委ねるタイプのホラー。なぜ女は1人だったのか?子育てから開放された理由は?本当に自転車で来られる距離の公園か?子供が寝たあとストレス解消に深夜の公園でブランコ立ち漕ぎしただけ、とは言えない前提条件の欠損がある。
霊だと思えば怖い。でも、生きている人間だと思うと、それはそれでもっと怖い。チャイルドシートのある自転車、姿の見えない子ども、聞こえない声。どの細部も、どちらの解釈にも当てはまってしまうのが絶妙です。「オチはない」と言い切った作者の潔さが、そのまま余韻になっている掌編でした。