ほとんど目が見えないのに、いつの間にか家の中から姿を消したり、気配もなく現れて鈴の音だけを響かせたり。
そんなクロとの穏やかな日々が、とても印象に残りました。
そして物語の終盤、あの鈴の音が思いもよらない形で主人公のもとへ帰ってくる。
壮絶な状況のはずなのに、なぜか猫との時間に守られているような温かさを感じました。
クロが助けに来たのか、それとも一緒に過ごした時間そのものが主人公を守ったのか。
その境目が曖昧だからこそ、最後に残された小さな鈴が胸に沁みます。
「何だ、狡いじゃないか」という一言にも、ふたりが積み重ねてきた時間の優しさが詰まっていました。
動物の恩返しには、こういう形もあるのかもしれない。
切なくも優しい読後感が残る一作でした。
私も、小学生から飼っている齢20年の老猫と暮らしているので胸が苦しくなりました。
猫と飼い主の暖かで静かな暮らし、そして山間の開発による大自然の猛威へと繋がっていく緊迫感と、最後の感動の再会の流れが非常に美しい物語。
暗闇の中で死を覚悟した主人公の耳に届く、「鈴の音」。
そして救助された時に手の中に握り締められていた小さなしかし間違いのない愛情という結末は、ただの幻聴ではなく、目が見えなかったクロが主人公の居場所を探し出し、恩返しをしてくれたのだと強く確信させられます。
「何だ、狡いじゃないか」
という主人公の心からのセリフに込められた、愛おしさと切なさが胸を打つ。
猫は家につく、なんて言う言葉がありますが、決してそんなことはありません、猫はちゃんと、人から掛けられた愛情は、かえしてくれるのです。
人間は、兎角いろいろな事象に理由をつけたがるものである。
これは実に勝手な想像だが、
本編で描写が無かったことから主人公は山の麓に一人で暮らしており、おそらく誰か、もしくは「何か」と生活したことが初めてだったのだと思う。
とするのであれば、色々と理由をつけたがるのもわからないでもない。
本編は、非常に横暴に叩き潰して語ってしまうと、
住み着いた猫がいなくなった。
そんな物語である。
……終盤で、大変なことが起きるが、これも見方によっては猫は関係ない可能性だってある。
大まかなところはそういうことだと思う。
猫を飼った事がある人ならわかると思うが、
猫は実は義理堅い一面を持ち合わせている。
自分の最期が近づいていると悟ると、意味ありげに甘えてきたり、真顔でこちらを見つめて、ニャアと鳴いてきたりするのだ。
そしてその後、不思議といなくなる。
猫がいなくなるというのは、実は自然なことではあるのだが……
同居した理由が理由だったり、特徴のある猫であったり、おそらく主人公が何かを飼うのが初めてなのではないかと思慮できるあたりから、色々なことがよぎってしまう……のかもしれないし、
一方では、やはりあの猫は山の守り神で、義理堅い一面を持ち合わせていた……
とも読み取る事ができる。
本編の優れている部分は、こうした「猫」の生き方というのか性格というのか……
描き方がリアルな点にある。
人と馴れ合う気はないが、いざとなったら「猫の手」ほどの義理は返してくれるのだ。
猫好きには「わかる」一作であると言える。
ご一読を。
とても優しくて切ない物語でした🐈
まずクロが本当に愛おしいです✨
片目を失った黒猫🐾
気配もなく現れる不思議な存在🌙
名前を呼ばれてもマイペース🍀
それでいて玄関では出迎えてくれる🏠
猫と暮らしたことがある方なら、「そうそう」と思わず頷いてしまう描写がたくさんあります😊
本作の魅力は、特別な事件ではなく日常そのものにあります✨
鈴の音が聞こえる🔔
ご飯をねだる🐈
押し入れで寝ている💤
そんな何気ない時間が丁寧に描かれているからこそ、クロがいなくなった後の喪失感が胸に刺さります💔
また、作品の空気感も非常に好きでした🌧️
山の開発工事🏗️
伐採される木々🌲
不穏な空模様☁️
静かに積み重なる違和感が、自然と後半への伏線になっています⚠️
そして終盤です🌙
奇跡だったのか✨
偶然だったのか🌙
その解釈は読者に委ねられています📖
だからこそ心に残ります💭
特に、「何だ、狡いじゃないか。散々人に探させておいて、そちらが先に見つけるだなんて」という気持ちには胸を打たれました😢
再会の喜びと寂しさが同時に詰まっているように感じます🍀
そして最後に主人公の手の中に残された鈴🔔
あのラストは本当に美しかったです✨
大きな奇跡ではありません🌙
派手な感動でもありません🍀
けれど確かにクロとの絆を感じさせてくれます🐈
読み終えたあと、静かな余韻が長く残る作品でした✨