「私メリーさん。今、あなたの後ろにいるの」
かつて、電話の向こうのメリーさんのお話に恐怖したことがある方は多いのではないでしょうか。
電話の向こうの不穏な気配。その恐怖は今でも記憶に鮮明で、スマホに見知らぬ番号から電話がかかってくると、いまだに少し脅えてしまう自分がいます。
そしてこの作品「0742-19-3157 お電話お待ちしております」は、まさに電話の向こうの「不穏」だらけの物語。
大学生の渡辺くんは、奈良県の市外局番である「0742」から始まるこの番号についての怪現象を、興味本位でまとめ始めます。
「スマートスピーカーからこの番号が聞こえてきた」「新品のスマホに勝手に登録されていた」というネット上の相談から、「死後の自分と会話ができる」「電話すると異界に行ける」というような触れ込みで電話をかけてみた人々に起こる、不気味な体験談まで。
渡辺くんのもとには様々な情報が集まり、彼女がこの番号を書き残して失踪したという清水という男性と出会ったことで、彼の運命は大きく変わり始めます。
大舟さんのデビュー作、「三重県津市西区平山町3-15-7」は、三重県には存在しないはずの「区」にある、ある住所の謎に迫るお話でした。
何気なく見ると違和感がない、けれどある方々には強烈な違和感を与えるこの住所。
しかし「0742-19-3157」は、一見普通の番号です。では、この電話番号の秘密とは……!?
一見バラバラに見える怪異を調べていく中で、渡辺くんたちはやがてある事実へとたどり着きます。それは「三重県津市西区平山町3-15-7」を読んだ方には心当たりのあるものでもありますが、とはいえ今作だけでも大丈夫! まっさらな状態からでも、どうぞ安心してお読みください!
渡辺くんはその行動力で、清水さんとともに謎に迫っていきます。けれど「好奇心猫をも殺す」ということわざがありますよね。私がこのお話を読みながら渡辺くんに対して思っていたのはまさにそれでした。
不可解で不気味な電話番号の謎もさることながら、近づいてくる「メリーさん」のような恐怖に対し、逃げるどころか無防備に突っ込んでいく渡辺くんを見守るのもまた恐怖。
怖いのに面白い、ページを繰る手が止まらない。勇敢なる渡辺くんの末路、いえ行く末を、ぜひ一緒に見守って頂きたいです。