美しい海。
深く、暗く、冷たい水の底。
そこで「あるもの」だけが、まるで何事もなかったかのように動き続けている――。
もう、この光景だけで不穏です。
けれど本作の怖さは、怪異や超常現象によるものではありません。
「なぜ動き続けるのか」
そこには、ちゃんと理由がある。
そして、その理由を知った瞬間――
頭の中に浮かべていた光景が、まったく違うものに見えてしまいます。
怖い。
でも、どこかシュール。
そして少しだけ切ない。
そんな複数の感情が、短い物語の中で一気に押し寄せてきました。
特に印象的だったのは、
「止まってしまったもの」と「それでも動き続けるもの」の対比。
機械はただ、そこにある。
それだけなのに、なぜこんなにも不気味なのか。
この作品は、その答えを知った瞬間の感覚まで含めて面白い。
ほんの数分で読める作品です。
だからこそ、ぜひ何も知らずに読んでほしい。
静かで、奇妙で、じわじわと残る。
そんな一作です。
あなたはその理由を知ったとき、何を思うでしょうか——。