毎年10歳から14歳の子が4~5人入ってきて読み書きから教える、という学校の運営はとっても難しそうです。しかも15歳を超えたら原則として働かなくてはいけませんから。第一段階で止まる半数の子は、食い扶持には困らないとは言え、立身出世というには微妙かもしれません。
普人の杖使いは約1%ですが、その半数は第一段階止まり。約三割が第二止まりで第三以上に達するのは約二割。そして第五以上は素質者の僅か1%(森人は第三以上が半数くらい)。転生者の上限だった第五段階は、同年齢では全国トップレベルという意味でした。リカが能力を隠したのは大正解でしょう。
従って普人で第三段階の魔術士となれば、平民でも貴族どころか帝国軍の魔法隊に入れますし、貴族のお抱えにもなります。中には貴族子弟に見初められて、その子供は貴族籍となることも。逆に弱小新興男爵グラフェル家は不人気で、四元素の魔術士を揃えるという不文律を満たすのも難しいくらい。
エズム(Æðm)
古英語で「吐く息」。クンディ様の弟でグラフェル男爵家後継ぎ。ノルド派遣軍に加わっている(グラフェル家は衛兵拾隊とエズム、男爵家唯一の風魔術士などが参加)。風魔術は第二段階で止まる。杖使いの花嫁を連れ帰ることができなければ、領内の郷士家の娘と結婚すると思われる。
ウィッダル地方(Widdal)
古ザクセン語で「広い峡谷」。widはwide語源、dalはdale語源。ノルド地方の西隣、ヴェイザ直轄領とグラフェル男爵領などに隣接する地方。広々とした峡谷の南部は麦類、森を開拓した北部は亜麻作地帯。初代男爵ハルドステン(Hardsten)は同じく古ザクセン語の「硬い(hard)石(stone)」。
※次回の更新は、10/10(土)を予定しています。