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第25話 葡萄、鉛筆とノート

 葡萄は、原産地である中央アジアの呼び名budawの音写です。西方にも伝わって古典ギリシャ語/ラテン語botrusとなりました。但し葡萄果実をuva(本来は酸っぱい実を付ける木)、そして葡萄の木をワインの語源vitis(生命(vita)の木)と呼ぶのが主流です。葡萄は果物よりもワイン原料でしたから。

 英語grapeは「葡萄摘み用のフック」が語源。迷ったのですが、やはり神様は葡萄と訳さないだろうと判断しまして、葡萄は「酒実」、赤ワインは「赤酒」、白ワインは「淡酒」、ワインヴィネガーは「酒酢」等としました。年齢制限はありませんが、三人は賢い子という設定ですので飲酒しません。

 16世紀半ばに英国で大規模な黒鉛鉱山が発見され、17世紀初めには鉛筆が登場しました。始めは筒状の軸の先にだけ黒鉛を詰めたものでしたが、やがて黒鉛と硫黄を混ぜて焼いたものを軸全体に詰めるようになり、18世紀終わりに現代と同じく粘土を混ぜて焼く芯(カルノー式)になりました。

 わたくしの世界では、技術的に難しくないカルノー式が既に存在しているとしています。また黒鉛の名は、外見が方鉛鉱に似ていて鉛が含まれていると誤解された命名ですので、砂魔法で成分を分離可能な「我等世」では炭素だと分かることから、黒鉛は「輝炭石」、鉛筆は「炭筆」としました。

 17世紀頃の鉛筆の軸は八角形で芯は四角形(加工し易い形)でしたので、わたくしの世界でも同じとしています。植物繊維の紙は、嘗ての欧州と同様に麻屑を利用する他、草木の繊維から作った植物系の手漉き紙がある、と設定しています。尚、消しゴムは存在しておらず、麦餅(パン)で消します。

2件のコメント

  • 葡萄は醸造すればワイン、蒸留すればブランデーなので『酒実』は言い得て妙ですね!
    素晴らしいです。
  •  お褒めいただき有難うございます! 帝国共通語は「複数人類種共存なので、外見や用途や利用方法から名付けられていることが多い」という設定です。直観的に葡萄と分かる名前で酒類の原料となることが明らかな名称と考えて「酒実」としたので嬉しいです!
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