ミノタウロスとゴブリンにすれば分かり易いのですが、ご存じの通りミノス(minos)は人名由来。しかもギリシャ神話で迷宮の怪物となる前は、月毎に再生する牡牛神(moonの語源であるmeneの系統の言葉)でしたので、異世界の魔物名としては使い難いです。偶然を重ねないと有り得ませんから。
牛頭鬼は「二足歩行(bipedal)の野牛」をラテン語で合成して「二(bi)」「足(ped)」「オーロックス(urus)」としました。オーロックスは17世紀に絶滅した欧州の野生牛です。尚、異種族地域の魔物は各モデル言語で表記しますし、魔物の顕著な特徴から名付けますので、他の人型魔物の名前には「バイペド」は付きません。
ゴブリンの語源もゴベルという人名由来説がありますので、ゴブリンを避けて独語系のコボルトから設定。コボルトは中高独語の「小屋(kobe)の厄介者/小鬼(holt)」ですので、ホルトをわたくしの世界の小鬼の名前としました。holtは古英語では「木々や森」の意味ですので、有り触れた魔物というニュアンスも加わります。
沢小鬼(ガリイホルト):gullyは「小さな谷や水路」。沢筋に出る有り触れた魔物。普人固有呼称は古英語のgrof
藪小鬼(グロブホルト):groveは「木立、疎林」。林や浅い森に出る魔物。同golet
牛頭鬼(バイペドルス):肉と皮を利用できるのでお得な魔物。突進に注意。
マナグ(Manag)は古サクソン語で「たくさん」。manyの語源。アザル(Athar)は同じく「その他」。otherの語源です。二人合わせてメニー・アザーすなわち「その他大勢」。otherが古ノルド語だとannarなので避けました。今後、何度も三人と絡みますが、名前の通りモブキャラです。