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概要
「タダみたいなものね」——学食の値段を見た彼女の第一声だった。
高校2年の春、俺のクラスに転入生がやってきた。
黒いヒジャブを纏った彼女の名はファーティマ。UAE・アブダビからやってきた、正真正銘のお嬢様だった。
「ここが日本の学校……思ったより小さいのね」
「この値段? タダみたいなものね」
「運転手はどこ? ……電車? 何それ」
金銭感覚が桁違い。以前のペットは鷹とサルーキ犬。豚肉は食べられないし、1日5回お祈りする。
何もかもが違う——でも、笑った顔だけはやけに眩しかった。
俺は「日本生活サポート係」として、彼女の隣で過ごすことになる。桜、梅雨、花火、紅葉、雪。日本の四季を一緒に体験するうちに、気づけば目で追うようになっていた。
でも、彼女がこの国にいられるのは父親の駐在期間の2年間だけ。
そして彼女の母親は、娘がムスリム以外の男と親しくなることを
黒いヒジャブを纏った彼女の名はファーティマ。UAE・アブダビからやってきた、正真正銘のお嬢様だった。
「ここが日本の学校……思ったより小さいのね」
「この値段? タダみたいなものね」
「運転手はどこ? ……電車? 何それ」
金銭感覚が桁違い。以前のペットは鷹とサルーキ犬。豚肉は食べられないし、1日5回お祈りする。
何もかもが違う——でも、笑った顔だけはやけに眩しかった。
俺は「日本生活サポート係」として、彼女の隣で過ごすことになる。桜、梅雨、花火、紅葉、雪。日本の四季を一緒に体験するうちに、気づけば目で追うようになっていた。
でも、彼女がこの国にいられるのは父親の駐在期間の2年間だけ。
そして彼女の母親は、娘がムスリム以外の男と親しくなることを
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