MACK

　学園ミステリは好きだけど、いきなり殺人事件とかはさすがにリアリティもないしちょっと重すぎる……みたいな人に、めちゃくちゃお薦め出来る作品。 　一人称視点で描かれる、九院高校に「…続きを読む

　「そうだ、自分はこういう物語が好きだったんだ」と、思い出させてくれた秀作。 　国と国、貴族間の派閥、複雑な人物相関が描き出す、壮大な人間ドラマ。剣と権力と策謀で繰り広げられる世…続きを読む

　一緒に暮らしてる兄妹なのに、なぜ妹が兄の名前を知らないんだろう！？ 　というのがとっても気になって読み始めた作品ですが、いやあ、ほんと面白かったです。 　妹パートと兄パートが交…続きを読む

　オルオーレンがとんでもなく人たらし！　行く先々で素敵な出会いとやり取りをしていく、短編連作です。 　人って愚かだなあと思うことや、旅の美しい青年に向けられる幼い恋心とか、人情話…続きを読む

　交わることのないふたつの月の光の世界それぞれに住む、少年少女の不思議な出会いの物語です。 　文章はとても詩的で、月光のように静かに、情景と二人のやり取りが描かれていきます。 　…続きを読む

　いやーー、もう、どのシーンも目が離せない抜群の面白さでした！ 　顔に醜い火傷の傷を持つ、奴隷のスィーラーン。”傷物”として価値を失いそうな状況であるにも関わらず、師でもあるエス…続きを読む

　独特の薄暗い雰囲気が、淡々としているようなねっとりとしているような。不気味なのに目が離せない、妖艶な文章で綴られる物語。 　どことなく不穏が横たわっていて、何か起こりそう、何かあ…続きを読む

　「無限」に対する発想が面白く、世界観や、ともすればナンセンスさすら感じてしまいそうな司書との会話も小気味よく、無限の中の一として必ず合致する作品が存在しうるというＳＦ的な壮大さも…続きを読む

　誰もが知るあのお話が、より面白くなって新登場！　といった感じです。 　読んでると不思議なことにドット絵で状況が見えるシーンがあったり、疾走感のあるテンポの良さとコメディ感がとて…続きを読む

　化けられるけど、何もかも中途半端な化け狐と主人公の掛け合いが楽しい作品。 　見た目年齢とか、容姿とか、狩衣姿だとかの諸々があやかし系のヒーローポジションになりうるポテンシャルな…続きを読む

　この作品には前作となる物語もありますが、こちらだけ読んでも違和感なく楽しめます。 　ですが、『平凡すぎる私は異世界転生できないっ！』を読んでからだと、更に何倍にも楽しみが広がるの…続きを読む

　オーディションに落ちて心折れたウナは、訪れた靴屋でその辛さを吐露します。 　努力しても報われない、チャンスを得られない、他人と比べてみじめになっていく自分。今まさにそんな辛さを…続きを読む

　開示される情報が洗練されていて、文字数が少ないのに世界観を肌で感じられるのがすごい。
　タイトルの通りのお話なのですが、「あれ？　何かおかしい？」の追体験が出来てしまいます。
　

　願いを叶えてくれる妖精が森にいるなんて、とってもメルヘンでハートフル。 　主人公と同じ立場なら、自分も同じようにランタンに閉じ込めて、願い事を口にしてしまうかもしれない。 　そ…続きを読む

　描写の妙で主人公とシンクロするように世界に浸ってしまう事はあるけれど、この作品はまさにそういうシーンが多く、磯の香や潮風、うだるような夏の南の島の暑さを感じる事が。 　その没入感…続きを読む

　昔から憧れていたゲストハウス運営の夢が叶う。 　主人公瑠唯がとんとん進む開業準備に心躍らせる所から物語はスタートし、夢が叶う奇跡も現実的な裏付けがあってこそというリアリティの中…続きを読む

　タイトル的にもっと軽いノリのライトノベルを想像していたのですが、読み始めてびっくり！　かなり練られた世界設定を持つ本格ファンタジーで、土台と大筋を見れば硬派な戦記物といった感じで…続きを読む

　鉄仮面と揶揄される表情固定の婚約者。怒った顔も笑った顔も泣いた顔すら誰も見た事がない。感情があるんだかないんだか。 　巨大な石で頭部にダメージを負ったエリザは目覚めた時、ふと乙女…続きを読む

　マイナス方面で見れば悲しいとか、寂しいと感じる出来事のように思うのですが、明るくハイテンポ+ハイテンションで語られる事により、とんでもないエンターテインメント作品に仕上がってるノ…続きを読む

　読み終わった後に流れを頭の中で整理しようと思ったら、あまりの情報量の多さで、自分が読んだのは本当に短編だったのだろうかと一瞬混乱。 　最初から最後まで、とってもシリアスなお話で…続きを読む

　最初から最後まで「後悔しない選択」について繰り返し語られる物語です。 　科学力が進み作られた天空都市と地上は、突然現れた天空鬼により分断されてしまいまして、主人公二人はその天空…続きを読む

　昔読んだ本を年月を経て読み直したら感じ方が変わってたり、感動のポイントが以前と違うという経験を何度もしてきたはずなのに、かつて小学校の国語の授業で読んだ物語をもう一度読み直すとい…続きを読む

　スタイルとしては安楽椅子探偵といった感じの雰囲気です。主人公は真直は引きこもりのハッカーという事で、部屋から一歩も出ません。 　だけどこの現代、インターネットという大海が存在して…続きを読む

　文明開化、新しい文化がどんどん取り込まれている時代の活気ある世界観です。 　主人公の杏は和菓子屋の娘。人とのお喋りが苦手でどもってしまう事があり、悪循環の結果、引っ込み思案で臆病…続きを読む

　この物語は少年漫画的な熱さとワクワク感、青年漫画的な濃い人間ドラマとバトル物のハラハラ感が全て味わえます。面白さの要素が、喧嘩をせずにワンプレートに乗ってる。 　主人公エヴァン…続きを読む

　魔王がいて勇者がいる世界には、必ず存在するであろう四天王！　勇者の前に立ちふさがる壁という絶大たる存在感。 　かつての世界で主人公ガルシをはじめとする四天王は、超ブラックな魔王の…続きを読む

　しょっぱなからから激動の、親友との断絶シーン。 　 　命令を受け、ついに発見したターゲットの”魔物”を倒すべく剣を振るった主人公レンドール。しかし、その攻撃を防いだのは相棒で親友…続きを読む

　科学が粋を極めれば必ず問われるであろう重い問題だけど、アメリカのシットコムのような痛快なやり取りの中でそれを軽妙に浮彫にしつつ、主人公の気持ちを理解していけば、愛とはどういうこと…続きを読む

　主人公とその友人二人は、腕試しや肝試しに使われてはいたけれど、本当に魔物が出るという事で誰も寄りつかなくなった沼に向かい、三人とも体の一部を失うような事になってしまったあげく、無…続きを読む

　様式美の第一話、流れるような異世界転生。 　なのに二話目から途端に様子がおかしくなる。 　大好きなゲーム！　推しのいるゲーム世界にヒロインとして転生しちゃった！？ 　ドキドキハ…続きを読む

　ジャンルとしてはポストアポカリプスファンタジー、という感じでしょうか。遠い過去に優れた科学力で発展した世界だったのが、今や植物の上に植物が生える多層構造。倒木更新なんて生易しいも…続きを読む

　文学的な文体と言いまわしで、ぐぐっとこの世界に引き込まれて行く感じが、たまらない読書体験をくれる作品。 　お話としては、神様の家の敷地との境となる門を作る大工である境工（きょう…続きを読む

　切なく詩的な情景からのスタート。描写もとても文学的で、素敵。ヒロインは海に向かって旅立つ彼を見送って……、という所からのどんでん返しというか、ラストまでの流れが見事。 　 　読後…続きを読む

　主人公の月果は普通の（？）ごく一般的な女子高生だけど、好奇心が旺盛。 　その好奇心が仇となって、突然の非日常に投げ込まれるまでのテンポが絶妙で、読んでてとっても楽しい作品でした…続きを読む

　もし様々な思い出や感動が箱に詰まって、見える形であったとしたら。 　他人に見せるなんて、自分の心をさらけ出すような恥ずかしさや不安があると容易に想像できます。そんな葛藤を恋愛をは…続きを読む

　主人公は割れると光る不思議な鉱石を掘る鉱夫。その石は便利で重宝される事から、鉱山のある町は豊かでそれなりに賑やかな様子。一通りのものは全て揃った町のようです。 　決められた量を取…続きを読む

　テンポの良い一人称の語り口で綴られた、一話完結の掌編です。 　箱にまつわるエピソードが種類豊富で、ほんわかするものからその後が気になるもの、いいお話などなど。箱だけをテーマにして…続きを読む

　音無くん。クールで無表情で掴みどころがなさそうなのに。 　色んな態度で主人公をキュンとさせていく。読者も漏れなくキュン。私の心が乙女になった。 　花言葉になぞらえた各エピソード…続きを読む

　あらすじで女王蟻とあるように、蟻の社会をファンタジー世界に落とし込んだ感じで、他で見ない独特の世界観の中、女王を守る騎士の一人、ルーがが敬愛する女王のために禁則の地に足を踏み入れ…続きを読む

　これまでについてるレビューを見てもらうだけで、数多の人がお薦めであると声高に叫んでいるのがおわかりいただけると思うが、私も便乗する。 　最終話を読んだ時、私の中の審査員が全ての…続きを読む

　一人の楽師が語る言葉を、淡々と聞く形になっているお話なのですが、まるで目の前で彼が語っているかのようです。その紡がれる言から、華麗な宮殿の姿、漂う異国の香り。ともすれば彼の声すら…続きを読む

　継母にいじめられ、風貌が変わるまでに至った王女スノウリア。かつての美女の姿を失って、死人のよう、呪いの魔女のようと形容され辛い毎日を送る彼女は、諦めの中で命が潰えるその日まで漫然…続きを読む

　禍魔の仮面という物がある。 　主人公は小説家という事もあり、今までの知識と新たな情報で好奇心を刺激されていく過程がまず描かれるのだけど、本当にそういう伝承や面が存在するのかと思…続きを読む

　これは本棚にいつもあって欲しい物語。分厚いしっかりとした装丁で。そんな本格的なファンタジーです。 　不老不死の主人公シェスティンはその運命を抱え、孤独な放浪の旅を続けていました…続きを読む

　世界を創造した存在は、神と呼ばれるにふさわしいであろうし、実際にそうなのであろうと。その世界に住まう人なら当然に、そう帰結するはず。 　異世界ファンタジーでゲームの世界に転生し…続きを読む

　書架はダンジョンで本がモンスター。 　なんて、単純に言葉を入れ替えた世界ではないこの作品。 　第一話から見せられる、いえ、魅せられる世界観。本を開けば生き物を模した魔法のよう…続きを読む

　読むと経験者なら「あ～～！！」っとなる。思わず自分の体験も語りたくなる、それが人間ドックや健康診断。過去に楽にこなした人は見た事がなく、苦痛がもう少しなければもっと受ける人がいる…続きを読む

　ゲームをプレイする時に結構やりがちなのが、アイテム温存。一応保険として色々用意するけれど、このバトルのあとにもう一戦あったら？　等と想像すると、「アイテム」→「使う」にカーソルが…続きを読む

　ミステリといえば、犯人がいて探偵がいて、大抵どちらかが主人公で進みますが。こちらの作品は謎を作った側、解く側の立場を追体験できる、とんでもない代物でした。 　最初の事件の内容で…続きを読む