黒い瞳の乙女と赤毛男子の大正風ロマンティック
- ★★★ Excellent!!!
サーカス的な存在である大道芸のキテレツ座で、演目の一番手といえばこの男! と、ばかりに雄々しく登場する怪力男子、リンを主人公とするお話。
般若の面をつけ、米俵を軽々と投げるし回すしの大立ち回り。これはもう観客の目もくぎ付けになろうというもの。でもこの人、典型的な気が優しくて力持ち、みたいなところが。優しいというか気弱? 鬼気迫る表情で睨みつけて来る黒い瞳の乙女の存在に、たじたじ。
お互い見知らぬ者同士でありながらも、少し強引な彼女に振り回されつつ、更にはおしゃべりな同僚に外堀を埋められつつ。
大正ごろの日本を彷彿とさせるレトロでモダンな時代感と、二人の変化する距離と感情を味わえる短編です。