世界にはいつも不思議がある。壱岐島で繰り広げられる人+人+神の物語
- ★★★ Excellent!!!
昔から憧れていたゲストハウス運営の夢が叶う。
主人公瑠唯がとんとん進む開業準備に心躍らせる所から物語はスタートし、夢が叶う奇跡も現実的な裏付けがあってこそというリアリティの中、壱岐についたしょっぱなから”喋る猫”に出会うという非日常。あっという間に引き込まれました。
猫は自らを神と名乗り、この島に災厄をもたらせる禍つ物を探してやってきたらしいのだけど、二人のやり取りはほんわか和みの要素満載。切羽詰まった危機感もなく読み進めていれば、ゲストハウスに訪れる少し変わった人たちとのエピソード。
昔仲良く遊んだ事もある男性との再会もあり、ここから恋愛パートなのかな? と思いきや、不自然なほど距離を取る主人公。
そんな感じで、ちょこちょこと彼女の過去を知りたくなる要素が出て来て、不穏な禍つ物の気配に先が気になりどんどん読んでしまいました。
神様たちの興味深い逸話が出て来たりとか、読み応えが多数ある中、どんどん物語は佳境に向かって盛り上がります。これまでの伏線が一気に回収される爽快感は読んだ人の特権かなと。