花を探しながら世界を巡る旅。読めば同伴者の気分。
- ★★★ Excellent!!!
オルオーレンがとんでもなく人たらし! 行く先々で素敵な出会いとやり取りをしていく、短編連作です。
人って愚かだなあと思うことや、旅の美しい青年に向けられる幼い恋心とか、人情話があったり、物語のストーリーバリエーションがとても豊富です。
”花”が物語の小道具というか、テーマというか、花の存在になぞらえた各エピソードは、人間ドラマとしても秀逸。
それぞれの村で、町で、国で。その場所ならではの文化や人々の生活を垣間見る感じは、読んでいるとオルオーレンと一緒に旅をしているかのよう。
さくさくと1エピソードが読み切れてしまう手軽さと、どのお話も心に残る内容で、オルオーレン自身がいったい何者なのか、という謎もあって次々と読み進めてしまいます。
ロードムービーが好きな人には絶対に刺さる一作! ぜひたくさんの人に読んでみてほしいです。