概要
空を駆けたり、花を咲かせたり。絢爛豪華な不思議の国で
「千璃を妃として城に迎え入れたい。望まぬものであるのならば退く」。王から遣わされた書状にはそうあった。
国の祈祷所である奏園で、舞手として暮らす千璃には、意味がつかめなかった。高位の舞手であれば見初められることもあると聞くが、千璃は国事で舞う際に同行もできないほどの下っ端なのだ。見初められるどころか、お顔を透き見したことすらない。雲の上の御方がなにを言い出したのか。奏園はひっくり返ったような騒ぎとなった。女ばかりの園に、とび交う助言、あるいは妬み嫉みの嵐の中で、千璃は混乱し萎縮するばかりだったが――
国の祈祷所である奏園で、舞手として暮らす千璃には、意味がつかめなかった。高位の舞手であれば見初められることもあると聞くが、千璃は国事で舞う際に同行もできないほどの下っ端なのだ。見初められるどころか、お顔を透き見したことすらない。雲の上の御方がなにを言い出したのか。奏園はひっくり返ったような騒ぎとなった。女ばかりの園に、とび交う助言、あるいは妬み嫉みの嵐の中で、千璃は混乱し萎縮するばかりだったが――
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