第37話
彼らが雲嶺とも呼ぶ硝雲宮の下、茶園桑園、石庭滝亭を越えて下の、珪渓殿にて任務にあたっていた空師遼灯は、飛んできた白いものをなにげなく手に取った。
開いた掌に、白い花が載る。
ふと笑みこぼし、蒼穹を仰いだ。そよと吹く風に立ち昇る香に、やがてけたたましいほど笑い出す。
「お見事、奏主! 年の功!」
いつかの夜、久蒔は遼灯にこう言った。雨の夜のことだった。
――女が何歳(いつ)から恋をするかをご存知か?
王の求婚 花咲かの巫女 @yutuki2022
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