https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/2912051595829065471
そんなわけで、第三十話「隠し通路」です。
今回のラスト、虎丸が空中でくるくる回転して通路に降り立った場面では、
「キャット空中三回転ぞなもし!」
と言わせたかったw
エイナは「いかにも迷宮」という雰囲気の、この第二階層がいたくお気に召したようです。
いそいそとマッピングを開始しましたが、これには裏の設定があります。
王国には、今まで迷宮は存在しないとされてきましたが、世界には有名な五大迷宮のほかにも、各地に小規模な迷宮も存在します。
したがって、迷宮の存在や内容はよく知られています。
そのせいか、数人のグループで迷宮攻略を目指すテーブルゲームが流行していました(帝国から入ってきたもの)。
これはいわゆる「テーブルトークRPG(知らない人はググってください……あ、今はAIに聞くのかw)」という、紙と鉛筆、そしてサイコロがあればできるゲームですね。
ゲームではダンジョンマスター、審判、語り部、複数の冒険者など、それぞれが役割を分担して(これがRPGの本来の意味)進行させていきます。
魔導院時代、このゲームが主に男子生徒の間で流行して、いくつかの愛好クラブが生まれました。
寮では男女が明確に区別されていますが、食堂や談話室は男女共用なので、そういう場所でわいわい遊ばれていたのですが、エイナはこのクラブのひとつに参加していたのです。
最初は自分ひとりでクラブに入ったのですが、彼女以外のメンバーは全員男の子で、それを聞いた同室のシルヴィアが「エイナをひとりにさせては危ない!」と、興味もないのに参加しました。
この遊びの中で、エイナは常に迷路のマッピングをする役を希望し、嬉々として地図を作っては大事そうに部屋に持ち帰って、壁に張ってにやにやしていたのです。
シルヴィアにはその感覚が理解できず、男の子たちに頼まれて語り部役を担当していました。
シルヴィアは万能なのですが、基本的に文系少女だったので、その朗読は感情がこもった迫力のあるもので、非情に好評を博したのです。
それに比べて、エイナは地味な役を黙々とこなしていたので、男の子たちからは「ちょっと暗い子」と思われていましたw
それでも、魔導院でも美少女の名を欲しいままにしていたシルヴィアを連れてきてくれたことで、エイナはちゃんと感謝されていました。
魔導院の卒業をもってエイナもこの「迷宮ゲーム」から離れたのですが、ここにきて本物の迷宮で、大好きなマッピングができることで、密かに興奮していたのです。
さて、思ったよりも第二階層が進行しません(いつものこと)が、少なくとも次回では、電撃しびれクラゲ(「ダーリン、許さないっちゃっー!」)との決着はつきそうです。
そんなわけで、どうかお楽しみに!