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【魔導士物語】第三十五話「夜会」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/822139838829910399

そんなわけで、第三十五話です。

今回は、カミラとベラスケスの因縁が明かされます。
吸血鬼(真祖)も、もともとは人間です。
魔法に魅せられた魔導士が、秘術によって自らアンデッド化してリッチーになるように、
生に対する激しい執着を持つ人間が、魔石の力を借りてアンデッド化するのが吸血鬼です。

吸血鬼はこの世界でも、幻獣界でも生まれてきます。
幻獣界の人間は基礎能力が段違いに高い(龍や巨人と戦ったりするくらい)ので、滅茶苦茶に強い吸血鬼となります。
ただし、幻獣界では魔石がほとんど採れないので、数は非常に少ないです。
そして、獲物とする人間側も強いので(その代わり、文明レベルは低い)、もっと楽をできる世界への転移の機会を、虎視眈々と狙っています。
その転移に成功したのが、オルロックとイリスです。

真祖は数が少ないので、互いの争いを避けるのが暗黙のルールとなっています。
お互いの縄張り(狩場)を尊重するのも、同様に不文律です。
吸血鬼が眷属を造るのに、大きな制約が伴うのは、数が増えすぎることで自滅することを防ぐ、自己防衛反応みたいなものです。
無制限に増殖できたら、ネズミ算式に膨れ上がり、餌となる人間の血を吸い尽くして、結局吸血鬼も滅亡してしまうからです。

第一世代(直系)眷属は、手足となる多くの部下を生む必要があるため、彼らに最低限のリソースしか割きません。
その結果生み出される第二世代は会話もできず、自己判断で行動ができない、半分獣のような存在となります。
その獣に、メイドが務まるはずがありませんから、アデリナはマリアを見て驚いた……ということですね。

次回もカミラの身の上話(後半)となります。どうかお楽しみに!

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