https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/822139840853111922そんなわけで、第四十五話です。
このタイトルでテレンス・ヤングの映画を思い浮かべた人は通ですが、
きっと、きっと また来てね~ 私の素敵な~ 夜の訪問者~♪♪
という歌詞が浮かんだ人とは、お友達になれそうな気がしますw
もし、夜中にマグス大佐が家に侵入してきたら、熊より怖いですよねww
さて、エイナは総務が予約してくれた、帝都の高級宿屋に向かいます。
案内兼護衛(監視)役のオットー・カリウス上等兵は、第二次世界大戦で一五〇両以上の敵戦車を破壊した、超有名な戦車指揮官の名前から拝借しました。
ミハエル・ヴィットマンと並ぶ、戦車戦の大エースですね。
本作品上のカリウス兵長は、田舎の貧しい農家の五男坊でした。
帝国の多くの若者同様、十八歳で徴兵されますが、その時点で結婚しており、娘も生まれていました。
徴兵期間は五年で、それを満了したカリウスは、帰郷よりも職業軍人となる道を選択し、ベテランの兵士として活躍します。
兵長は一般の兵卒では最も階級が上で、いかに彼が優れた兵士かを物語っています。
そうなると、一般兵にとっての憧れである下士官(曹長・軍曹・伍長)を目指すのは当然でしょう。
下士官は、現場における絶対権力者で、経験の浅い指揮官(多くは尉官)よりも実質的な待遇が上でした。
特に帝国は、徹底した能力主義のお国柄なので、役に立つ人間に多くの金を払うのは当然という考えです。
部隊中で最も経歴の長い先任曹長ともなると、中隊長クラスを歯牙にもかけず、大隊長と対等に物を言えるほどでした。
その分、下士官への昇任は狭き門で、学科と実技の試験のほか、上官(中隊長)の内申書も大きく影響します。
ついでなので兵卒の階級について。
誰でも最初は二等兵です。彼らが初めて前線に放り込まれた日から起算して、一年が経過すると、自動的に一等兵に昇進します。
最初の一年間、新兵の死傷率は突出して高く、およそ三割が死亡、二割が重症を負って除隊となります。
ですから、一年間生き残って、初めて新兵は「一人前」と認められるわけです。
一等兵になってから、さらに四年間生き延びると、今度は上等兵に昇進して「ベテラン」と見做されるようになります。
自動昇進はここまでで、その上の兵長になるには、年月ではなく所属の責任者(大隊長の場合が多い)の推薦が必要となります。
兵長は小隊指揮ができる経験と能力が必要となり、下士官のいない小隊ではその代わりを務め、新任の小隊長(准尉や少尉)の補佐と教育係を担うこともあります。
兵長ともなると、周囲の兵から頼りにされます。
そしてさらに上の下士官になるためには、司令部のある都市で行われる試験に合格する必要があります。
そんなわけで、マグス大佐はエイナに会うために、カリウス兵長という関門を突破しなくてはなりません。
どうするつもりなのか、どうか次回をお楽しみに。