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【第十一章開始】第一話「未知との遭遇」を掲載しました【魔導士物語】

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そんなわけで新しい物語、第十一章「漂流者の迷宮」の始まり、今回はその第一話「未知との遭遇」です。
なんかシンセサイザーのあの音階が聞こえてくるw

南カシルは貿易港ですが、同時に漁港でもあります。
この時代に冷凍技術はありませんから遠洋漁業は存在せず、すべて近海での小規模な漁となります。
漁船は四~八人乗りの小型船です。本文でも説明していますが、夜明け前後の「朝まずめ」に漁をして、港に戻って市場に卸すのですね。
もちろん日没前後の「夕まずめ」というのもあり、夜間に鉄籠の焚火で魚をおびき寄せる漁もあるのですが、朝が一番効率がよく危険が少ない時間帯です。

ロジャーたちが獲っていたのは「アジ」ということになっていますが、これはあくまで我々の世界でいえばアジに当たる魚という意味で、「アジのような魚」が正確な表現となります。
調理法は塩焼きかフライで、干物は売れ残った場合の処理法となります。
アジフライですが、一般家庭にソースやタルタルなんてありませんので、塩で下味をつけて揚げ、そのまま食べることになります。
手のかかるソースは、割と高級なレストランでしか作っていません。居酒屋なんかだと魚醤(けっこう高価)が添えられる場合もあります。
なお、王国は菜種油の輸出国なので割と安く、庶民も普通に使っています。
主産地は辺境で、荒れ地でもよく育つため、土壌の改良も兼ねてどこでも植えられています。春の辺境は一面が黄色で埋め尽くされ、かなりきれいです。

ちなみに、ロジャーたちが「竜骨のない船は波に堪えられずにバラバラになる」と言っているのは、彼らの常識に外れた船の構造への偏見に過ぎません。
漂流船は単に設計思想が異なるだけで、ちゃんと海を渡れる強度を備えています。

エイナの帰国ですが、黒蛇帝や白虎帝への報告は、いってみれば世話になる(実際、黒城市でエイナは第二軍から馬を借りています)代わりのサービスです。
本来なら、まず参謀本部で報告し、提出した報告書が四帝に回されるというのが順序です。
ただ、どうせ立ち寄ったのなら、口頭で報告した方が早いし質問もできるので、あまりこだわっていません。
四帝の権限は非常に強く、参謀本部としても彼らとの関係を良好に保っておきたいのですね。

皆さんお忘れかもしれませんが、前の第九章「能力発現」は、エイナが帝国に旅立った後の話なので、彼女はカー君が人間化できるようになったことを知りません。
ロゼッタがそれを教えなかったのは、ちょっとしたいたずら心が起きたのでしょう。
南部から帰国して以来、カー君は飛行任務を除いて、ほぼキャミイとして過ごしています。
家の中でも街を歩くのでも、圧倒的にその方が快適だからです。人間のために作られた家や街路なんですから当然です。

ファン・パッセル家のメイドたちにも、キャミイは歓迎され(さすがに最初は驚かれましたが)ています。
彼女は極端に新陳代謝が少ない(垢や脂が出ない)ので、洗濯物が少なく、足の爪を絨毯に引っかけることもなくなったからです。
キャミイはロゼッタからお菓子をもらい、しょっちゅうメイドたちの休憩部屋でみんなと分け合い、おしゃべりに興じています。

さて、最初のプロローグで発見された男女の漂流者が、この章の主人公であるのは明らかです(タイトルからしてそうですから)。
それがエイナとシルヴィア、そしてキャミイたちとどう関わっていくのか、まったり読み進めてください。
そんなわけで、どうか次回をお楽しみに!

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