生きるということ

その昔、まだ「パチプロ」なるものが存在していた頃から物語は始まる。規制は徐々にきびしくなり、ついにパチプロは全滅した。時代のうねりを真正面から受けた男たちの、それぞれのその後の生きざまを描く。

カズー大阪で圧倒的な強さを誇るパチプロ。規制が厳しくなるなか、生き直す道を探り続けている。しかし株で全てを失い破滅する。失うことでしか見えないものがある。その眼差しの先に、彼は「生きる意味」を見出す。

聡ーカズに憧れこの道へ入った元フリーター。二年の月日でいっぱしの腕を誇るパチプロになる。

破滅を経て記憶と自らの人生に向き合ったカズが最後にたどり着いたのは、一人の女性との出会いだった。静江との結婚を通じて、彼は「生きる意味」を見出す。
「俺は静江に救われた」
その言葉に、失われた人生が新たな意味を持ち、物語は静かに完結する。