カウンセラー

　高一の佐伯剣が通う高校で、クラスメイトの一之瀬りりあが校舎の屋上から飛び降りて自殺した。りりあは大人しく存在感のない生徒で、剣は殆ど話をしたことがない。遺書はなく、自殺した動機は謎だ。
　帰り道、剣はりりあの双子の妹・ここあと知り合う。ここあには三つ年上の姉・あくあがいる。あくあはひきこもりで、家族に対するＤＶが酷く、りりあを日常的に虐待していた。ここあは、あくあに関わりたくないので、自分の代わりに真相を訊き出してほしいと剣に依頼する。
　剣は気乗りがしないながらも一之瀬家を訪問する。しかし、あくあに金属バットで襲われて命からがら逃走する。
　剣はここあに協力を要請するが、拒絶される。理由を問い質すと、ここあは「あくあに恐怖心を抱いている」と告白。剣は「怖いのは僕も同じだけど逃げたくない、…続きを読む