月夜の黒猫は、心を拐う

【あらすじ】＊コンテスト応募のためネタバレ含みます＊
大企業椎堂グループのお嬢様・椎堂瑠璃には心臓の病気で入院中の妹・茉莉がいる。茉莉は椎堂家の本当の子どもだが、瑠璃は六歳のときに引き取られた養女だった。
自分をニセモノのお嬢様だと思っている瑠璃は、高校生になったとき、父に夜咲稀月というボディーガードをつけられる。
ニセモノの自分に危険が起こるはずがない。そう思っていた瑠璃だったが、十六歳の誕生日を迎えた満月の前夜、瑠璃の住んでいる街の近くで殺人事件が起こる。それは、ナイフで心臓を抜き取られた女性の遺体が見つかったという猟奇的な事件で、無名の海外作家が書いた『孤独な魔女の物語』という童話がモチーフになっているという噂だった。その童話は、長寿だが孤独に生きていた魔女と病気で余命わずかなお姫様と…続きを読む