概要
ぼくらは一つずつ覚えていく。もう、なくさないように。
この世界の子どもたちには性別がない。
中には魔法の力を持つ子どもたちがいる。
大人になると性別が分化して、魔法の力は失われる。
大人になる条件は三つ。
大人に守られずに、過酷な環境で生きること。
大人の知識に気づき、身につけてしまうこと。
そして、誰かに恋をすること。
だから魔法使いたちは、優しい繭の中で眠っている。
いつか役割を終える日まで。
_____________________________________
青藍(セイラン)のあとに、南一班には月草(ツキクサ)が加わった。
怖がりで、緊張しやすくて、まだ自分の居場所を探している小さい月草。
明るくて、うるさくて、少しだけお兄ちゃんになった鶸(ヒワ)。
丁寧で、落ち着いて見えるのに、自分の気持ちをうまく扱えない深緋(コキ
中には魔法の力を持つ子どもたちがいる。
大人になると性別が分化して、魔法の力は失われる。
大人になる条件は三つ。
大人に守られずに、過酷な環境で生きること。
大人の知識に気づき、身につけてしまうこと。
そして、誰かに恋をすること。
だから魔法使いたちは、優しい繭の中で眠っている。
いつか役割を終える日まで。
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青藍(セイラン)のあとに、南一班には月草(ツキクサ)が加わった。
怖がりで、緊張しやすくて、まだ自分の居場所を探している小さい月草。
明るくて、うるさくて、少しだけお兄ちゃんになった鶸(ヒワ)。
丁寧で、落ち着いて見えるのに、自分の気持ちをうまく扱えない深緋(コキ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!繭の中の優しさに、そっと差し込む影。きっとあなたも保護者の気持ちを知る
この世界の子どもたちには性別がなく、中には魔法の力を持つ子もいます。子どもたちは魔法の力を失う条件である「大人になる」までのあいだ、優しい繭の中で眠っている――そんな独特の世界観からこの物語は始まります。
まず名前の美しさに引き込まれます。深緋(こきあ)、月草(つきくさ)、鶸(ひわ)、桔梗(ききょう)。日本の伝統色や自然物から取られた名前一つひとつが、すでに物語の一部になっています。
描写は徹底して平易で、子どもの目線そのものです。「ぬるい水」「フワッフワのパン」――そうした無垢な言葉づかいだからこそ、その隙間からふと顔を出す世界の不穏さが、静かに、けれど確実に効いてきます。何気ない日常…続きを読む