『あなたの色が見えなくなるまで~名家を統べるご令嬢は、過保護な専属護衛に手を焼かれる~』は、現代ファンタジーと身分差のじれったい恋愛が絶妙に絡み合った、非常に魅力的な作品です!
主人公は、他人の感情を「色」として視ることができる異能を持つ名家・久世家の次期当主。若くして実質的に一族を取り仕切る彼女は、並外れた頭脳と重責を背負って生きています。そんな彼女が雇ったのは、新宿の裏路地出身で無愛想だけれど凄腕の専属護衛、真人。この二人の出会いと、少しずつ変化していく関係性が本作の最大の読みどころです。
誰もが主人公を「名家の当主」として畏れ敬う中、真人だけは彼女を「一人の女の子」として扱い、どこまでも過保護に守り抜こうとします。重圧の中で生きる彼女にとって、その不器用で真っ直ぐな過保護さは、時には手を焼かされるものでありながらも、次第にかけがえのない安心感へと変わっていく過程がとても丁寧に描かれています。
感情が色で見えてしまうがゆえに他人の本心に敏感な主人公と、彼女のすべてを支えると誓った護衛。二人は「主従」という立場を守ろうと互いに想いを胸に秘めたまま、じりじりと距離を縮めていきます。この「両片思い」のような切なくも甘い焦れったさが、読者の胸をキュンとさせてくれます。
また、現代社会を舞台にしながらも異能というファンタジー要素が物語に深みを与えており、ただの恋愛小説にとどまらない骨太なストーリー展開も魅力です。圧倒的な実力で彼女を守る真人のカッコよさと、強がりながらも少しずつ心を開いていく主人公の可愛らしさに惹き込まれました。
主従関係、過保護、そしてじれったいラブストーリーが好きな方には絶対に読んでほしい、心が温かくなる現代主従ファンタジーの傑作です。これからの二人の関係がどう発展していくのか、続きが楽しみで仕方がありません!
恋愛を軸に描かれている作品ですが、それだけではありません。
異能力、企業同士の駆け引き、護衛としての仕事、久世家や澪自身をめぐる謎など、まだ明かされていないことも多く、読み進めるほど先が気になっていきます。
これだけいろいろな要素が入っているのに、文章はとてもわかりやすくて読みやすい。難しくなりそうな場面もすっと入ってくるので、気づけばサクサク読み進めてしまいます。
真人と澪、二人の関係がこれからどうなっていくのか。
そして澪の能力や久世家に、まだどんな秘密が隠されているのか。
恋愛ジャンルを普段あまり読まない自分でも、どちらも気になって続きを楽しみにしている作品です。
多くの言葉は要らない。物語を一行で説明できること――それこそが、古今東西を問わず「よく書けた小説」と呼べるものだと思う。
その点でこの作品は、「異能の少女と、彼女を守る護衛の、静かな、けれど互いに触れ合わないロンド」と呼んでも遜色ない。
全体的に読みやすい文章と(私自身は韓国人で、翻訳機を使って読んでいるにもかかわらず、理解にまったく無理がありませんでした)、魅力的なキャラクターが際立つ作品です。
個人的には、ヒロインのキャラクターがとても気に入りました。
今のところ序盤の10話まで読みましたが、それでもこの作品の持つ可能性を感じることができました。
異能を使って仕事をこなしていく姿も含め、全体としてかなり魅力的な小説だと思います。おすすめです。
実は前に一度目を通していて、この度あらためて目を通し直したのですが……
破綻がまるでありません!
どんなに素晴らしいと思っている作品でも、粗を探そうと思って読むと何かしら見つかるもの、
しかし本作には全くと言って良いほどそれがない。
あくまでも自分の目では、という前置きは避けられませんがそれでも驚きました。
さて、ここはレビューなので、肝心の「どんな物語か」に移りますね。
まず目に付くのは天才的令嬢:澪の“上流階級たる楚々とした振る舞い”の格好良さ。
彼女の一挙手一投足から伝わる堂々とした振る舞いの説得力がすごいです。
一方で年相応の少女らしい一面も忘れていないのがとても可愛い。
そして真人のキャラクターも負けていません。
“ぶっきらぼうで上流階級のことを知りもしない若者”というスタート地点から、
やがて澪のことを過保護なまでに護衛するようになるという成長描写も見事ですね。
他のキャラクターにもとても細やかかつ説得力のある描写がされています。
文章も綺麗で読みやすく、それでいて各人の思惑が絡み合うシーンは緊張感抜群。
そんな筆力で焦れったい二人の関係を描かれもしたら誰もがやきもきするというもの。
とてもレベルが高い作品です!
ありがとうございました。
「人の感情が色で視える」異能を持つ名家の令嬢と、裏路地育ちの護衛。設定だけ見ればよくある主従ラブストーリーですが、この作品が光っているのは、その”よくある”を丁寧な筆致で血の通ったものにしている点です。
「主従」の建前を崩さないよう振る舞いながらも、素の顔を少しずつ見せ合っていく澪と真人の距離の縮め方は、大きな事件に頼らず、日常の軽口の積み重ねだけで読ませてくれます。スープを飲ませるための攻防、ガキ扱いされて頬を膨らませる令嬢の姿――このじれったさは、間違いなくこの作品の一番の武器です。
個人的にとても好きなのが、執事の榊さんです。多くを語らないのに、一瞬の仕草や言葉選びだけで、長年仕えてきた主人への忠誠と気遣いがにじみ出ていて、読むたびに好きになっていくキャラクターでした。
中でも出色だと思ったのが、12話の”追憶”のシーン。とても読み応えのあるサスペンスに驚かされました。専務の凝り固まった劣等感と歪んだ確信が、言葉の断片で畳みかけるように立ち上がってくる構成は、緊迫感の作り方として非常に完成度が高いです。
この技術がすでにあることを知ると、これからのアクション描写にも大きな期待が持てます。この作者さんなら、身体が動く一瞬をコマ送りのように切り取る書き方で、きっとこの作品ならではの緊迫したアクションシーンを描けるはずです。
欲を言えば、今後、榊さんと真人さんが澪さん抜きで彼女について語り合う場面も見てみたいです。二人の”保護者”だけの会話から見える、また違った澪さんの姿がありそうな気がしています。
じれったさと甘さ、そして丁寧なキャラクター描写。この先の二人の関係の行方が、とても楽しみな一作です。
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