まず初めに。
この作者様の「硝子街レイヤード」という短編集を以前拝見し、なんて素敵な物語を書く方なんだろう、とファンになりました。
そして、長編となる「ヒュプノスの魔法使いは繭に眠る」を次は読もうと思っていました。
わかっていた通り、やっぱり素晴らしかったです。
子供たち三人の何でもない日常。少しずつ、ほんの僅かな変化とともに大人になっていく過程。
そしてそれが目に見えて形となり、穏やかだった三人の関係がもう元には戻らなくなってしまった結末。
切ない気持ちになりましたが、二人の中には確かに思い出が残っているのだと僕は受け取りました。
とてもいい物語でした。もっと早く読むべきでした。続きも楽しみに、応援させて頂きます!
やさしく守られた場所の中で、子どもたちが少しずつ変わっていく物語に感じました。
温かい食事、清潔な部屋、整えられた庭。そこには確かに安心があるのに、窓の開かない部屋、定期検査、性別分化、配置転換といった描写が重なっていくことで、明確に何かを失っていくように感じさせます。
深緋、鶸、青藍の南一班の関係がとても印象的でした。何気ない食事、図鑑を眺める時間、毛布を直す仕草、紙を片づける音。大きな出来事ではなく、日常の小さな動作から三人の確かな絆が伝わってきます。
切なくて、やさしくて、続きを見届けたくなる作品です。
第二部もゆっくり楽しみたいと思います。