「円城塔賞 謎解き」を含む小説

東京郊外にある一軒家で老夫婦の死体が発見された。損傷は激しく、死体のあちこちに獣のものと思われる噛み痕が残されていた。部屋の神棚が崩れ落ちており、供え物も食い荒らされている状態だ…

お題フェスの卵がお題の作品です。 学年一位の自称天才、成松理久（なりまつりく）。 彼には好きな人がいた。 超絶美少女で学年のアイドルの雛形玲子だ。 彼女とデートしたいなあと思…

　ここは海辺の街。修道院がある街。天使達が旅立ちの時を待つ街。12歳の少年カノと、ある天使との交流を描いた物語。

「物語の天使」と呼ばれるイレーヌは、王宮の侍女として働いている。 彼女はとても美しく物語を語り、さながら天使のようだとの評判だった。 ある日、この国の王子に見初められ、妃にと望ま…

　昭和二十年七月、大分海軍航空隊。連日の空襲で焦土と化した基地の一角で、主計中尉の佐々木は戦死者の遺品整理に明け暮れていた。 　ある日、佐々木は未帰還となった山崎大尉の遺品から…

――黒猫が流れている。 「彼はどこへ行くのだろう？」 僕は、空をぼ～っと見上げていた。 「お教えしましょうか？」 と声をかけてきたのは三十路手前の未亡人。 どこか冷めた作家と、…

移動教室の机の中には誰かが置き忘れたルーズリーフが入っていました。見覚えのある筆圧の弱い綺麗な文字で何かが書かれています。

時代の寵児とも言える芸術家タカノフミオから、独占取材の依頼を受ける美術雑誌の記者。 正体不明の芸術家からの依頼に舞い上がる記者であったが、いざ取材が始まるとタカノのインタビューは…

師走――。師も走り回るほどに忙しい季節。 それはサンタも悪党も一緒だった。 仙崎とミクのコンビは依頼を遂行するためにクリスマス・パーティーが開催されているホテルへと乗り込む。 …

　ミチ。 　そう読める。 　赤黒い血でミ。その下。五時の方向にチ。 　そして。チの最後の払いに。 　人差し指と中指が、被さっている。 　指は手。手は腕。腕は体。 　背中に無数の刺…

「心不全じゃないかも。 　もっと深い、……“空白”みたいなものがある」 出版社勤務の女性が、自宅で静かに息を引き取った。 死因は心不全。遺書も争った形跡もない。 だが、刑事・朝…

知恵熱を出してしまった鹿野秋子は、 保健室で一人の女生徒に出会う。 一つ学年が下の彼女は、 発熱と解熱を自在に操れる、 仮病使いだった。 彼女は秋子に、自分の上靴が毎日、 泥だら…

【カクヨムコン11 短編】エントリー中 100%会話劇なので、何も考えずにサクサク読めます。 火星探査データを解析する深夜のコントロールルームで、同僚の男はぼやいた。 「ど…

ダークミステリー短編作品です。 僕の心理を描写することによって、殺人なのか、事故なのか、自殺なのか。あいまいな物語がはじまります。 ※本作品は完全なフィクションです。実在の人…

婚約者・湊が失踪した――彼女の行方を求め、木場はある探偵事務所の噂を聞く。 『とある高層オフィスビルの最上階に探偵事務所がある。そこでは探偵が会った瞬間にすべてを解決する』 …

目を覚ますと、五人の少女は椅子に拘束され、窓のない密室に集められていた。 理由も目的も告げられぬまま、彼女たちに突きつけられたのは―― 「五人の中から、一人を選んで処刑する投票」…

クリスマスが終わった朝。 片付けきれない飾りと、冷えた匂いだけが残る部屋で、私はひとつの点滅を見ている。 何かを思い出すために。あるいは、確かめるために。 静かな短編です。

　正長元年（一四二八年）６月、一休宗純は師・華叟宗曇（かそうそうどん）から、「吾不欲死」とだけ書かれた手紙を受け取った。厳格な師らしからぬ言葉に、宗純は急ぎ堅田の祥瑞庵へと戻るが…

奇妙な噂が囁かれる図書館司書の斎藤さん。食事に誘った「俺」に彼女が提案したのは、彼女の秘密をショートストーリーに変換して当てるというゲーム。チャンスは六回、一日に一つずつ。それで…

建材販売会社に勤めるサラリーマンの主人公が飲み会帰りに 酔っ払って自分の部屋のドアを開けると、そこは未知の空間！？ ヒエラルキーの最下層のサラリーマンの身に起きる出来事とは・・・