概要
僕の心理を描写することによって、殺人なのか、事故なのか、自殺なのか。あいまいな物語がはじまります。
※本作品は完全なフィクションです。実在の人物・場所・団体・事件とは一切関係ありません。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人間とか、愛憎とか、感情とか
主人公の家庭は複雑でございます。
若いうちに母は他界。父は政治家先生で、
幼い主人公のおむつの面倒を見てくれたのは、長兄だったようです。
そのような複雑な幼年期を過ごし、主人公の心も他人とはすれ違うようになって参ります。
具体的に、感情の起伏が少ないそうです。そのことを自覚はしているようですが、それでも他者との関わりに疑問が生じます。
ある日です。
そんな感情の起伏の少ない主人公のことが鼻についたのか、空手部の生徒に目をつけられて、因縁をつけられてしまいます。
その場は先生が駆けつけ、しかも主人公は、空手部部員のポケットに、よろしくないものを忍ばせます……
彼は少年院送りになりました。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生き延びるために、彼が身につけたものとは?
壊れた家族から生まれるものは、壊れたものなのかな?
というのが、読んだ直後の感想です。
主人公は赤ちゃんのときから、冷静にまわりを見ていたし、感じていた。
主人公は感情が希薄な人物として書かれていますが、決してないわけではないことが、学生時代のエピソードから読み取れます。
もしかしたら反対に、感情が豊かすぎたのでは? そして、賢すぎたのだろうと私は思いました。
赤ちゃんのときに感じた世界。その感じたものが欠損していたがゆえに、生き延びるための術として、感情を押し殺し、冷静に世界を見ることを選んだ。
主人公のおむつを替えてくれたのは、兄。主人公は兄に愛情を感じ、尊敬していた。主人公にとって兄は…続きを読む - ★★★ Excellent!!!感情が欠落した人の心理を巧みな筆致で描く名作!
ダークミステリーよりも「サスペンスホラー」と呼びたくなるような作品ですね。
感情の欠落した「僕」の一人称で進みます。
欠落したドライな感情を、丁寧に一文ずつ書き連ねていき、結果として「怪物」と思わせるような〝凄み〟を感じさせます。
論理(ロジック)だけで進めていくところに現実味(リアリティ)を感じます。
このような〝凄み〟を描いた小説は、読み手に多くの示唆を与えます。
ぜひご一読して、「怪物」の心理や、最後の一文から「怖さ」を感じていただきたいですね。
同氏の作品の中では群を抜いた小説であり、おそらくターニングポイントとなる話でしょう。
これからの飛躍を感じずにはおれ…続きを読む