怪異の存在など介在しない。現実の世界を描いた物語、とりわけ“警察もの”においては、捜査に当たる登場人物がそう信じる無論のこと、我ら読者もしたり顔でそう嘯くことでしょう。けれどもここに、憑かれたようにあらゆる事を“怪異”と愉しむ捜査官がいたら?どんなに狂った事件をすら「怪異ではない」と淡々と指摘する捜査官がいたら?その狭間にこそ“怪異”はおぼろげに姿を垣間見せるのかも知れません……。
休耕田、荒れ果てた畑。打ち捨てられたかのような陸の孤島。東京にもこうした地はあります。超常現象としての怪異ではありません。しかし怪異とは人の心、日常に潜むもの。その哀しさを知りました。
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