「円城塔賞 現代」を含む小説

# 拡散希望 に、反応しただけだった。 生成AIで欲望を満たしていただけの俺が、好みの女に出会って、幸せな一時を手に入れた……はずだった。 ブン。 ──代償は、"拡散"。

秘匿大勇者は自世界の竜王を討伐する役目と他世界を守るという２つの役目がある。 「不愉快だ」が口癖のケンサクはその秘匿大勇者。 今回の彼の任務は、いまにも魔族が人類を滅ぼさんとして…

「ふざけんな！ 俺の小説がテンプレ悪役令嬢に負けるか！」 ランキング562位の箸にも棒にも引っかからない自称作家・月影諒太。 渾身の自信作『魔王学園の（中略）美少女オンリー（後…

​その街から「クマ」はいなくなった。代わりに現れたのは、筋肉が内側から蠢き、生物学的な法則を逸脱した「何か」だった。 　山と街を隔てていた暗黙の境界線は崩壊し、人々の平穏は「バ…

　朝起きたら、額に妙な跡が付いていた。 　後輩は「なにかの足跡じゃないですか？」というが、足跡のサイズからして体長およそ10㎝前後の直立二足歩行型の生物ということになる。 　そ…

祖母の死に不快感を感じた少年・過々。彼の夢は、大革命家になること。死と夢が出会ったとき、彼は世界に笑顔を置いていった。笑顔は不快感を消し、死を幸福に変えた。そして、彼の不在がーー…

５年間、不眠不休で働き過労死したカナタ３８歳。 オッサンのまま転生したものの勇者村で晴耕雨読の気楽な生活をしていた。 突然、村長に呼び出され竜王討伐を命じられたその理由は……？ …

入学式で受けたクラスメイト達からの冷たい仕打ちにより不登校になっていた三澄莉子は、ある日動画投稿サイトの広告でまるで怪しげな勧誘のように合言葉を連呼する一人の男性を目にする。最初…

彼女はわたしのことをルシアと呼んだ。そして、わたしは彼女と呼んだ。わたしたちの生きる世界はいつも透明な膜で隔てられている為、その先にいる彼女のことをわたしはいつも遠巻きにみていた。

「食われる…」 薔薇を見つけた現代の植物学者は魅了されていく。 「食べ頃だろうか？」 薔薇を見つめる過去のバンパイアは食べ頃を探っている。 「血は呪い」 魔女から逃げ、バンパ…

子供の頃の勘違いというのは意外にも長く残り続けるもので、時間が経って間違いに気づいた後も無意識のうちにその勘違いを正当化しようとしてしまうらしい。今が、まさにその状態だった。 （…

監視対象は小学生の少女、コードネーム「シラユキ」。警察庁キャリアのエリート・中川理沙は、年末に冗談のような指令を受ける──「小三女子を監視せよ」。 その一件はいじめ案件のはずだ…

何をしても満たされず、渇きにも似た衝動を抑えることが出来ない美桜。女友達と笑っている時も、彼氏と部屋でくつろいでいる時も、幸せだと感じることは出来なかった。 ──なにかが足りな…

「自殺を止めてほしいと頼まれたから殺した」 異常なほどの純粋さが引き起こした自殺阻止事件。その正解は誰にもわからない。そして、世間は犯人の青年・狂々をサイコパスと決めつけた。人間…

【カクコン11参加作】 〝チェーン店の古本屋で、胡散臭い本を捨て値で買い漁る〟のが、私の趣味である。店先のワゴンセールにある意外な掘り出し物。そうして出会った一冊の本。高山信一郎…

現代にダンジョンが出現して10年近く。現代兵器がほぼ通用しないため各国にも制圧・管理する術がなく、一方で、裏社会でも追われるような札付きが逃げ込み、ダンジョン内は暗黒地帯として定…

　ブックカフェ『琥珀書房』の二階には、屋号も持たない奇妙な探偵事務所がある。 　扱うのは『失せ物探し』。 　時に、「心の欠落」までも見つけ出す。 　主人公レノは不思議な金髪美…

暗闇の中では、灯は点けられない。 微かでも光あるからこそ、灯は点けられ。 灯は周囲を照らすのだ。 ────────── ピアノコンクールでは最優秀賞及び金賞の「一番」しか取っ…

「お客様、こちらの『ポーション』ですが……成分表示ラベルがありませんね」 「はあ！？　エリクサーだぞ！？」 「薬機法違反で持ち込み不可です。今ここで飲み干すか、廃棄してください」…

私は大好きなサっちゃんと一緒に暮らしている。 最近、サっちゃんはとっても仕事が忙しくて、疲れも見えて、私はとっても心配だ。 あるとき、サっちゃんが電話で誰かと喧嘩をしている場面に…