概要
異常なほどの純粋さが引き起こした自殺阻止事件。その正解は誰にもわからない。そして、世間は犯人の青年・狂々をサイコパスと決めつけた。人間とサイコパス。交わらない両者が導く"理"の答えとは。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!かくして世の中は「サイコパス」という言葉を濫用するようになった。
精神の疾患や障害をかかえた人々への差別や非人道的医療の歴史をへた結果、狂気にかかわる日本語の多くが「差別用語」とされて、規制あるいは自粛されるようになりました。
「サイコパス」という言葉は本来の意味をうしない、結局、その代替表現として、便利に用いられるに至ったように思えます。
言葉は変われど、その実態は昔とかわらず「あいつは違った存在だ」と定める行為。
共感と善性の共有を断つその行いは「サイコパス」と何も変わらず、つまるところサイコパスとは「普通の人間」と地続きの存在でしかないというその現実を、本作は巧みに、明らかにしています。
他者を「サイコパス」と見るその瞬間、私たちはサイコパス性をあら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!既に人とは違う種のように言われているのが興味深い
解としては、なるほどと納得した自分がずれているのかと考え込んでしまう話。
「人をどうして殺してはいけないのか」
という問いをやたら聞く時期があったことをなんとなく思い出した。
でも、なぜか心に残っている解答はひとつも浮かばない。
個人的には群れの資源が減るからだと思っていた。外敵がいる場合、群れの頭数を減らすのは弱体化につながる。
同じ理屈で、例え殺した人間でも許すことがあるのかと。
(制度の歴史を調べれば、多分まるっきり見当違いと思われますが)
共感は群れのメンバーであることの基本的資質である。
でも、人だけの堅固な社会を築いてその中だけで生きていくなら、必要ないと削ぎ落とした個体…続きを読む - ★★★ Excellent!!!サイコパス
サイコパスを描いたお作品です。
読ませていただいて、感じました。
サイコパスはいるな。
サイコパスの定義。
サイコパスとは、共感や良心が欠けている人格の特徴のことをいうそうです。
先日神戸で起きた事件。
自分の好みの女性を見つけ、付け狙い、殺害した。
自分の願望のためだけに行われたと思える犯行。
まさに、サイコパスです。
作品中に出てくるサイコパスの青年。彼も殺人を起こします。
彼の殺人動機。
それは最適解だったから。
最適解。
コンピューターのプログラムのような思考です。
共感や良心の無い人間。
そんな者がいるとは信じがたいけど、いるのですね。
ナイフを持ち、ためらいなく、人を刺し…続きを読む