概要
ぺし。音がした。やつらが走り回っているのだろうか。
朝起きたら、額に妙な跡が付いていた。
後輩は「なにかの足跡じゃないですか?」というが、足跡のサイズからして体長およそ10㎝前後の直立二足歩行型の生物ということになる。
そんな生物、いるわけないだろう。
などと思っていた俺だったが、その夜、『やなり』と呼ばれる小さな鬼が俺の前に現れて……。
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カクヨムコンテスト11【短編】 参加作品です。
完結済み。
鬼は出てきますが、ホラー展開ではないので安心してください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!こんな鬼なら来てほしい! ほっこりあやかし物語
一見すると怪異譚やホラーを想像させる導入ですが、物語は良い意味でその予想を裏切ってきます。
額に残された謎の跡や「あやかし」という存在が示されることで不穏な空気が漂うものの、実際に登場する『やなり』はどこか愛嬌があり、物語全体をやさしく包み込む存在として描かれているのが印象的でした。
日常の延長線上にふっと現れる不思議と、それを大仰に恐れるのではなく受け入れていく主人公の距離感が心地よく、読んでいるうちに自然と頬が緩みます。
後輩との軽妙なやり取りも良いアクセントになっており、物語に柔らかなテンポを与えています。
「あやかし=不穏」という固定観念を崩し、ほっこりとした余韻を残して…続きを読む