概要
百年の片想いと、千年の祈り。
これは、昼と夜の神が残した、長い愛の物語。
神々と人が生きる世界・常世。
夜の神・夜姫が黄昏都で出会ったのは、自らの「対」である太陽神――世界を照らす最高神・天照だった。
誰にも心を明かさず、ただ世界を照らし続ける天照。
夜姫は彼のもとへ花を運び、神々と笑い、人の営みに触れながら、いつかその隣に立てるよう、夜を統べる神へと成長していく。
けれど、夜姫の成長と二柱の絆は、神々が守ってきた秩序を少しずつ揺らし始める。
なぜ夜の神は、太陽の「対」として生まれたのか。
二柱の間に流れた百年は、やがて何を残すのか。
神々と人の世界を舞台に、愛すること、選ばなかった道、取り返しのつかない時間を描く、長い恋と祈りの神話譚
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!すれ違う太陽と夜、切ない未来から始まる壮大な神話ロマンス!
冒頭で示される、あまりにも切ない別れから物語は時を遡り、二柱が出会った頃の、初々しく温かな日々が描かれていきます。
太陽神・天照と、その“対”として生まれた夜の神・夜姫。
幼い頃から天照を一途に慕い、いつか胸を張って隣に並べるよう努力する夜姫が、とにかく健気で可愛いです。
“対”する天照は、誰よりも夜姫を気にかけ、姿が見えなければ落ち着かず、ほかの男が近づけば不機嫌になる。それなのに、本人は何もかも「対だから」の一点張り。
読者としては、
「夜姫ちゃん、こんなに好きって言っているのに――天照様、恋に鈍すぎませんか!?」
と、思わずツッコみたくなります。
そんな二柱…続きを読む - ★★★ Excellent!!!神話のよう。それ故に純粋だから……
最新話まで追いついたので書きます。
まるでずっと継がれてきた「詩」のよう。本作を言い表すのならば、この言葉が何よりも相応しいことばと思いました。それ故に、タイトルの言葉を当てはめました。
語られるのは、神の恋。完成された太陽神の天照と未だ成長の只中にある夜の神の夜姫。何もかもがピュアで、最初から手探り。守って守られての関係が変化していく様子は読んでいると瑞々しい。それも、時間を掛けつつ丁寧に描いており読み応えのある話に仕上がっています。
そして、綴るのは「詩」のような形。タイトルに記したように純粋な色を帯びている。ギリシャ神話にある神々の話のように、神々もまた間違えてしまう……。
だか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~ 神話の荘厳さと、少女の初々しさが美しく溶け合う恋物語 ~
プロローグの完成度が非常に高いです。黄泉の底へ落ちていく夜姫と、最高神でありながら取り乱す天照の姿を冒頭に置くことで、「百年の恋がどんな結末を迎えるのか」という問いを読者に強く印象づける構成は見事でした。「神の恋は祝福ではない」という一文が、ただのファンタジーロマンスではなく、神話としての重さを予感させてくれます。
第2話以降、時間軸が遡って物語が始まりますが、その対比がまた効果的です。みすぼらしいローブを纏った少女が初めて果実飴を食べ、無邪気に笑う場面の柔らかさは、プロローグの悲壮感とは対照的で、これから何が彼女と天照の間に積み重なっていくのかという期待を高めてくれます。「常降」「黄昏都」…続きを読む - ★★★ Excellent!!!これは恋であり、神話の始まり
神話のような荘厳さと、初恋の初々しさが美しく重なり合う、壮大で美しいロマンスファンタジーです。
天照様は、世界を照らす絶対的な神格でありながら、夜姫様の前では少年のような素顔や不器用な優しさを見せてくれます。その大きすぎる光に惹かれ、背伸びをしながらも懸命に近づこうとする夜姫様のまっすぐな想いが、とても愛おしく、胸を締めつけられました。
また、須佐男様をはじめとする神々の賑やかな掛け合いが、荘厳な世界に温かな笑いと躍動感を与えています。神々がただ遠い存在ではなく、悩み、笑い、誰かを想う存在として描かれているところに、この作品ならではの魅力を感じました。
恋の甘さ、神々の愛おしい日常、そ…続きを読む