概要
豊穣の季節『永遠の春』が長く続く世界。
その象徴であり、人々の希望であるはずの「豊穣の聖女」フィルテリアが遺体で発見される。
目の前で再生する聖女。
彼女を拾ったのは、金のため、生きるため、冷徹な傭兵エギル。
彼が引き受けたのは、「豊穣の聖女」という名の荷物を聖都に送り届ける依頼。
「豊穣の聖女」の本当の役割とは?
守れなかった過去を持つ傭兵エギルの選択。
誰かの犠牲の上に成り立つ[豊穣の時代]を終わらせる事が正しいのか?
世界の重責を背負った少女と護人の旅
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!特異な出会いから広がるダークで尊い物語の海
静かでずしんと重みのある導入に始まり、不穏な空気が漂う旅がさらにダークさが増すなか、やはり物語に明るさをもたらすのは魅力的なヒロイン。
死ねないという宿命は、死ぬことが前提の日常世界との鮮やかな対比であると同時に、読みながらその重みをひしと感じました。
対話で空気をふわっと明るくして、さらに物語に必要な説明を添える描写の技量の高さに驚きました。
多くを描きすぎず適度にピシッと示されることで、世界観にすんなり入っていける安心感。
聖女にまつわる厳かな場面にはグッと引き込まれ、読み進めるたびに意外な展開が用意されているのですから、ワクワクせずにはいられません。
様々な思惑が交錯していく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死体から始まるのに、旅の温度が忘れられない
この作品、開幕の掴みがかなり強いです。
聖女の遺体を前にした傭兵エギルの乾いた視線。
そこから始まるのに、ただ暗いだけで終わらず、
不穏さと皮肉と、かすかな人間味が同時に立ち上がってくるのがすごくいい。
数百年続いた「永遠の春」が揺らぎ始めた世界で、
不死の聖女と、信仰を信じない傭兵が旅に出る。
設定は重いのに、二人の会話はちゃんと生きていて、
エギルの突き放し方とフィルテリアの明るさが噛み合うたび、
どんどん読みやすくなるのが魅力でした。
特に好きなのは、
「立てるか、奇跡」
この一言です。
奇跡をありがたがる話ではなく、
奇跡そのものを前にしても簡単には敬わない男だからこそ、
こ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ダークファンタジー初心者にもおすすめしたい、骨太ファンタジー!
導入から突きつけられる、理不尽な死の香りと再生。
読者は一話目から思い切り殴られるはずです。
それでいて文章は驚くほど読みやすく、テンポも軽快。
不愛想なのに人間味あふれる主人公・傭兵エギルと、
呆れるほど天真爛漫な聖女フィルテリアの掛け合いも心地よく、
重い世界観の中にも確かな読みやすさがあります。
本作は、設定を説明で語るのではなく、
物語を追う中で少しずつ世界の輪郭が見えてくる構成。
読み進めるほどに気付くでしょう。
これはただダークな作品ではない、骨太ファンタジーなのだと。
ダークファンタジーは少し怖い。
でも、重厚な世界観と物語を楽しみたい、
そんな方にぜひおすすめしたい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界観に殴られる。ダークファンタジーの傑作!
まず断言させていただく。
ダークファンタジー好きはこの作品を読むことを一切躊躇う必要はないだろう。
そしてもう一つ。
ダークファンタジーというものをよく知らない読者も、ぜひ読んでみてほしい作品だ。
矛盾しているかのような主張であるが、その実この作品は序盤から現在連載分にかけて、そのグラデーションが見事に機能した傑作であるように感じている。
序盤からこれでもかというほどのダークな世界観が広がるが、聖女フィルテリアのキャラクターはその世界の一筋の光かのように映る。ネタバレのため詳細は伏せるが、彼女はダークファンタジーへと触れる入り口には最適なキャラクターのように感じたのだ。
登場人物…続きを読む