概要
鎖国国家、神州帝國。
国主天帝のもと、高位神術師と軍によって支えられてきたこの国へ、ある日、異世界からの文明が突如侵攻を開始する。
連環帝国アルケイア。
国家そのものが巨大な制度であり、国土そのものを戦場へ接続してくる侵略者。
相手は怪物ではない。神州と同じく、人類の文明を極限まで押し進めた、もう一つの国家だった。
迎え撃つのは、近衛御親領衛。
警察でも軍でも処理できない異常だけを引き受ける、半非公式の神術師部隊。
その実働隊長、紺野健太郎は、国家と国家の衝突の最前線へ立たされる。
だが、この戦争の本当の目的は領土ではない。
神州が秘匿する“ある管理権”を巡り、世界の理そのものが奪い合われようとしていた。
これは英雄が世界を救う物語ではない。
どの国家が、どの文明が、どの理
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!世界そのものが動き出す、圧倒的なスケール感
「西の海が、先に海をやめた。」
この一文から、ただならぬ作品だと感じました。
最初は(失礼ながら)「難しい文学作品かな…」と、控えめに読み始めたのですが、なぜか引き込まれてしまいました。何故でしょう…。
途中まで読んだ時点でも、異世界からの侵攻というだけでは収まらない、国家と国家、文明と文明そのものが衝突しているような重厚感があります。
特に印象的なのが、「国が刺さる」というあまりにも異様な光景を、登場人物たちが単なる怪異としてではなく、冷静に観測し、分析し、国家として対応していくところ。異常な出来事なのに、文章そのものは妙に落ち着いていて、その温度差がかえって恐ろしく感じられ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!文明の“正しさ”がぶつかる、思想と構造のSFファンタジー
魂の不平等を前提とする神州帝國と、国家そのものを巨大制度として運用する連環帝国アルケイア。
二つの文明が衝突する物語は、戦争の勝敗ではなく 「どの理屈が未来を支配するのか」 というSF的テーマが中心に据えられている。
警察でも軍でも扱えない異常を引き受ける近衛御親領衛の紺野健太郎が、国家の歪みと秘匿された“管理権”の正体へ迫るにつれ、神州という国の構造そのものが静かに露わになっていく。
敵は怪物ではなく、同じく文明を極限まで推し進めたもう一つの国家。だからこそ、善悪ではなく 文明の設計思想そのものがぶつかる 緊張感が際立つ。
領土ではなく“世界の理”を巡る争いという設定は、戦記ではなく …続きを読む - ★★★ Excellent!!!"見える"ものを"見た"ままに描く、架空国家謀略戦記であり叙事的象徴詩
この作品にはじめて接したとき、わたくしは理解の外へ振り飛ばされました。
入口に蹲り、再読しようと扉に手をかけるも又もや振り飛ばされ――読んだ記憶が、ない。
中に、何も残っていない。痕跡すら、爪痕を立てない。
この作品のせいではありません。
わたくしの接続が、浅層に過ぎたためです。
従って評価などできるはずもなく、惹き付けられては幽鬼のごとく入口あたりを彷徨うのみでした。
曰くありて…
自己OS更新後に訪れたところ、苦もなくスルスルと入ってくるのです。
美しい筆致です。
痕跡は最少限に、読み手の眼へ与ふる情報は最大限に。
緻密な世界観は、常人に表せるものではありません。
書き手が世界を自在に…続きを読む