第一章を読ませて頂きました。
キャラクターの立ち位置が絶妙で、誰か一人が欠けても物語が成立しない構造になっているように感じます。
それぞれが物語の歯車として機能し、政治・軍事・心理が自然に噛み合って動いていくのが見事でした。
政治描写も非常にリアルで、戦争の勝利を利用して権力を固めるという典型的な手法が、鮮やかに描かれています。
民衆の心理操作や公開処刑の演出は、歴史的な説得力を持ちながら、物語として強烈な印象が残ります。
軍事描写も丁寧で説得力があります。
指揮官の能力差、戦場の心理、戦死者への感情が自然に描かれ、読者がその場にいるかのような臨場感を感じます。
伏線の張り方が上手く、物語全体の構造を支える強い骨格になっていると感じました。
それでいて描写が不自然にならず、流れの中に自然に溶け込んでいる点が素晴らしい。
まだ一章しか読んでいませんが、本や映画になってもおかしくない完成度を感じました。
いったいどうやったら、こんなことが書けるのか……全体を事前に構想しても難しいレベルだと思います。
凄い作品です。
異世界転生?ダンジョン?俺最強?そんなものは不要!
本作は、真正面から重厚な王道戦記を描き切るファンタジーです。
まず何より魅力的なのが、カリュースとリーディスの関係。
剣を振るい、戦場を切り開くカリュース。
病床にありながら、知略と洞察で彼を支えるリーディス。
力の形はまったく違う。
それでも互いに足りないものを補い合い、戦乱の中を進んでいく二人の友情が、この物語の大きな柱になっています。
そして、この作品は主人公だけの物語ではありません。
敵も味方も、それぞれが自分なりの立場と信念を持って動いている。
誰かが主人公のために都合よく配置されているわけではなく、それぞれの選択がぶつかり合った結果として、戦争や政治、歴史そのものが動いていきます。
だからこそ、戦場だけでなく政治や陰謀の描写にも重みがあります。
剣で勝てば終わりではない。
戦場の勝利の裏では思惑が交錯し、権力が動き、誰かが利用され、誰かが決断を迫られる。
そして何より印象的なのが、「正義」や「忠誠」が決して単純に描かれていないこと。
国に従うことは正義なのか。
命令に背くことは悪なのか。
忠誠とは、誰に捧げるものなのか。
物語が進むほど、カリュースが信じてきたものは揺さぶられていきます。
それでも最後に残るものがある。
立場でも、肩書でも、国家でもない。
誰と共に歩くのか。
「共に行こう」
その言葉が、EWIG――永遠へと続いていく。
重厚な戦記が好きな方には、ぜひ最後まで読んでほしい作品です。
作り込まれた世界にまず圧倒されます。
そして、あたかもそこにいるようなリアルなキャラクター達。
その裏側で、渦巻く陰謀……。
序盤だけかいつまめば、帝国に仕える騎士カリュースとその親友リーディス、上官のデスからなる一行と、ラヴァウインド共和国のラーデンブルク公、女性の身で「鬼公爵」と呼ばれるヴィランが、それぞれの目的を胸に一堂に会する流れです。
物語は重厚にして深遠な展開を見せる一方、キャラクター達の会話は軽やか。
これによって、あたかも一緒に旅をしている気分を味わえます。
手に取った感触はズッシリと重たいかもしれませんが、必ずそれに、あるいはそれ以上に応えてくれる秀麗な物語です。
勇敢で正義感あふれる騎士カリュースと病床にありながらたくみな策謀で彼をささえるリーディス、対照的な二人を中心にした、空想上の国々の戦いの物語です。
各国の地理的関係、習俗、宗教など、細かいところまで破綻なく作り込まれ、作者様の頭の良さがうかがえます。
また、単に世界設定の論理的な整合性が取れているというだけでなく、そうした世界を描写する語り口の一つ一つが情感にあふれ、読者を自然と物語の世界へ連れて行ってくれます。
また、登場人物たちもそれぞれ個性が際立っています。
主人公二人の関係性は魅力的ですが、豪快で細かいことは気にしないデスや、美しく破天荒なヴィランなど、誰を「推しキャラ」にするかで迷うこと間違い無し!
この作品は、物語が進むにつれて政治的な陰謀や権力構造が少しずつ見えてくるところがとても印象的でした。特に、ロウスの処刑をきっかけにフィーメルやカリュースの価値観が揺らぎ始め、単なる戦いや陰謀ではなく、「忠誠とは何か」「正義とは何か」という問題へ発展していく流れが魅力的です。登場人物それぞれが異なる立場から帝国と向き合っているため、今後の対立にも期待が持てる作品だと感じました。
一方で、文章にはやや説明的な部分や、昔ながらのWeb小説らしい表現も見られますが、物語そのものの構成や人物同士の関係性にはしっかりとした魅力があります。特にカリュースがこれまで信じてきた帝国への忠誠に疑問を抱き始めたことで、物語が大きく動き出す予感があり、ここからどのように彼の選択が帝国全体を揺るがしていくのかが非常に気になる作品でした。
この小説は、戦記物というジャンルで扱われています。
古き良き時代のライトノベルの走りぐらいの時期を彷彿させる、重厚な設定が魅力的です。
過度な残酷表現などもなく、とても読みやすいです。
なにより秀逸なのは、戦記物にありがちな、あちこちの陣営を描くことにより物語自体が散漫になりやすいという弱点がないことです。
それを実現しているのが、物語の中で一貫して流れを支配している二人の英雄の存在です。
豪胆で忠節にたけ、人を信じる心をもつ一人。
もう一人は、知略に優れ、冷静、それでいて温かい。そんな二人です。
ネタバレになってしまいますので、その二人が戦いの中、どんな人生を歩み、どこに到達するのかは言葉にはしませんが、最後は唸ることは間違いありません。目頭が熱くなることでしょう。
少し物語自体に視点を戻します。
物語自体は、戦記物というのに相応しい軍略、策謀、裏切り、暴力としての衝突、すべてがあります。
また、それらは要所で伏線として語られ、進行に合わせて結実していきます。
語り過ぎず、書きすぎない。そして、次の話に繋がる話ごとの余韻を醸し出す引き。
それらが見事に融合した小説となります。
今の流行りの小説ではありませんが、だからこそじっくり読んで欲しい。
話数も読みやすいので、一気読みも可能です。
ぜひ、お薦めしたい作品です。
【レビューコンテスト応募】
こんな壮大な世界観を持ったファンタジーを高校生の黒わんこ様が執筆されたことにまずは最大限の敬意を表します。
今、ヴィラン公が主人公の外伝を読み進めていますが……こちらも本当に時間を忘れて没頭するような完成度の高い世界観となっています。
カリュース、リーディスといった魅力的で生き生きとした登場人物が己の正義をかけて運命を切り拓こうとする姿に感動を覚えました。
策謀、陰謀、そして友情。
特に人の心の動きが丁寧で、きっと作者が心の機微の感度が高く、それを独自の創り上げた世界観に落とし込める力量をお持ちなのだと、ただただ尊敬の思いです。
弱さもある。でも、それを上回る志がある。
大人になった黒わんこ様の作品も楽しみたいと思いつつ、本当に大人まで惹き込まれる作品を届けてくださり、高校生の黒わんこ様、ありがとうございました!!
骨太ファンタジー好きの皆様!
オススメです!
私がそうなのですが、戦記物って凄く人が出てくるので、名前が覚えられません。でも、この作品、主要人物は何度も何度も名前を書いてくれます。それだけでも助かる。
1人の姫を助けるために、全員が大掛かりな芝居をする。その時その場所に居合わせた人々を騙し、信用させていく……そして、最後には点と点が繋がり、大きな話が大団円に!!だけど、最後、「え……?」っとなりました。裏を読んでいたのに、さらに裏を読まれていたみたいな内容でした。確かに、世界を救う物語ではなかったですね。
とても読み応えのある物語で面白かったです。
あと、皆様にお聞きしたい……カッコいい女性は好きですか?私は滅茶苦茶好きです!そういう女性が出てきます!ヴィランというキャラなのですが、彼女が出てくるだけで、サクサク物語進みます!行動力の塊みたいな女性です。彼女どんな人かなぁ?と見るだけでも、価値があると思います!!
おすすめします!