この物語は、情景が自然と浮かぶような美しい世界観と、神々のピュアな恋愛を描いた、日本神話モチーフの和風ファンタジー恋愛小説です。
読み始めてまず目に入ったのが「太陽神・天照」という名前でした。
僕自身、遙か昔ですが日本神話をモチーフにした演劇のシナリオを書いた経験があることもあり、強く興味を惹かれました。
登場人物の名前は日本神話に由来していますが、世界観は完全にオリジナルで、神々の社会や関係性が分かりやすく描かれています。
難解さを感じさせず、行動や内面から人物像が丁寧に伝わってくるため、恋愛の心の動きに自然と引き込まれます。
不穏なプロローグから始まり、そこへ至るまでの切ない恋が少しずつ描かれていく構成も印象的でした。
派手なバトルよりも、純粋な想いの積み重ねを大切にした作品で、神々の世界で静かで美しい恋愛を楽しみたい方におすすめです。
昼と夜の対を成す二柱――夜の神・夜姫と太陽神・天照の神話譚。
天照をはじめとする神々との出会いを通して、常世の世界で夜姫の歩みが描かれます。
須佐男の嵐のような乱入や、遣い神たちとの賑やかなやり取りが続き、重くなりがちな神話の世界観を一気に読みやすくしています。
とにかく第1話の時点で心を掴まれ、物語から目が離せなくなる構成!
神話だからとちょっと難しいのかな……と身構えていたら、勢いと感情でそのまま連れていかれました。
あと、気づいたら自然と須佐男の登場を待っている自分がいて、こっそりと推しています。
気になった方は、まずは噂の第1話を読んでみてほしいです。
おすすめですよ!
日本の神話でお馴染みの八百万の神々が織り成す、千年の恋物語です。
主役は太陽神・天照。
神々が集う常世において至高の存在である天照は、待ち望んでいました。
彼と同格であり、魂の片割れでもある彼女を。
けれども、やっと対面した彼女は未だとても幼い姿で――。
詩のような美しい描写で、天上の世界である常世がありありと脳裡に浮かびます。
神々が活き活きと過ごすその世界で描かれるのは二人の優しく穏やかな愛。
まだ幼い夜姫を慈しむ天照はとても素敵です。
そして、主役の二人以外にも魅力的なキャラクターが登場し、世界に立体感を与えてくれて楽しい一幕もありますよ。
ですが、プロローグでは二人の切ない恋の行方が明示されています。
煌きに彩られた出会いから二人に何があったのか、そして添い遂げることはできるのか。
あなたも一緒に、神々の恋を見守ってみませんか?
皆が名前くらいは知っているであろう日本の神話の神々。どこか遠い存在なのに、日本では八百万の神などという概念もある。
しかし、神というと、普通は遠い存在。畏まらなければいけない。場合によっては不敬罪。
しかし、本作に登場する神話の神々は実に親しみやすい。夜姫という女神の成長譚であり、神同士の恋慕や嫉妬など、非常に人間寄りというか、神の名を借りた文芸恋愛物語にもかかるのかな?
いずれ、敷居は低い。親しみやすい。情景が浮かぶ。サイドキャラも立っている。
そして、神話にも次第になじんでくる。
身近に居そうな神々という、やはり八百万の国ならではの読み応えがある作品です。
舞台は、日本の八百万の神様たちの世界。
独自の解釈を加えて構築された、神々が住む都を中心に物語が進んでいきます。
描写が叙情的で美しく、まずそこで世界に引き込まれます。
ちょっとした描写に、緻密な世界観の構築が垣間見えます。
登場する神々は、個性的で、明るく温かい。
その中で、対をなす二人の神の淡い恋心が織りなす、切なく焦ったい、すれ違い。
一方は、幼さ。
もう一方は、純朴さゆえの不器用さ。
そのすれ違いが、読む者の心を掴んで離しません。
思わず、手を握ってヤキモキしたり、応援したりしている自分がいます。
きっと、あなたも神々の世界の中に入り込み、この美しくも儚い世界を感じることができるはずです。
オススメしたい、作品です!