最新話まで追いついたので書きます。
まるでずっと継がれてきた「詩」のよう。本作を言い表すのならば、この言葉が何よりも相応しいことばと思いました。それ故に、タイトルの言葉を当てはめました。
語られるのは、神の恋。完成された太陽神の天照と未だ成長の只中にある夜の神の夜姫。何もかもがピュアで、最初から手探り。守って守られての関係が変化していく様子は読んでいると瑞々しい。それも、時間を掛けつつ丁寧に描いており読み応えのある話に仕上がっています。
そして、綴るのは「詩」のような形。タイトルに記したように純粋な色を帯びている。ギリシャ神話にある神々の話のように、神々もまた間違えてしまう……。
だからこそのプロローグ。未だ語られていない話ではありますが、何かとんでもないことが起きてしまうであろう未来が気になってしまいます。
再開はもう間もなく故に続きを楽しみにお待ちしております!!
プロローグの完成度が非常に高いです。黄泉の底へ落ちていく夜姫と、最高神でありながら取り乱す天照の姿を冒頭に置くことで、「百年の恋がどんな結末を迎えるのか」という問いを読者に強く印象づける構成は見事でした。「神の恋は祝福ではない」という一文が、ただのファンタジーロマンスではなく、神話としての重さを予感させてくれます。
第2話以降、時間軸が遡って物語が始まりますが、その対比がまた効果的です。みすぼらしいローブを纏った少女が初めて果実飴を食べ、無邪気に笑う場面の柔らかさは、プロローグの悲壮感とは対照的で、これから何が彼女と天照の間に積み重なっていくのかという期待を高めてくれます。「常降」「黄昏都」「祈壇区」といった造語による世界観構築も丁寧で、日本神話をベースにしながら独自の神話体系を作り上げている点に作者の構築力を感じました。
文体は短い行を多用した詩的なリズムが特徴で、感情の高まる場面では一文一文が呼吸のように区切られ、余韻を残す書き方になっています。これは好みが分かれる部分かもしれませんが、神話的・荘厳な雰囲気を出す上では効果的に機能していると思います。
すでに多くの読者からレビューが寄せられており、「神話としてのシリアスさと、二人のじれったい心理描写の組み合わせ」「須佐男が入ると一気に空気が弾ける」といった評価にも納得できる土台が、序盤にしっかり築かれていました。全73話という長編ですが、章ごとに「夜姫14歳」「葡萄棚編」と時間経過がはっきり示されており、百年単位の関係の積み重ねをじっくり描く構成になっているようです。
壮大なスケールと、繊細な心の動きを両立させた和風神話ファンタジーとして、続きが非常に気になる導入でした。
神話のような荘厳さと、初恋の初々しさが美しく重なり合う、壮大で美しいロマンスファンタジーです。
天照様は、世界を照らす絶対的な神格でありながら、夜姫様の前では少年のような素顔や不器用な優しさを見せてくれます。その大きすぎる光に惹かれ、背伸びをしながらも懸命に近づこうとする夜姫様のまっすぐな想いが、とても愛おしく、胸を締めつけられました。
また、須佐男様をはじめとする神々の賑やかな掛け合いが、荘厳な世界に温かな笑いと躍動感を与えています。神々がただ遠い存在ではなく、悩み、笑い、誰かを想う存在として描かれているところに、この作品ならではの魅力を感じました。
恋の甘さ、神々の愛おしい日常、そして物語の奥に静かに漂う運命の気配。
美しく、眩しく、そしてどこか切ない。
太陽と夜の恋の行方を、最後まで見届けたくなる物語です。
これは、一対の神々の恋愛劇。
ただ、その神々とは、朝と夜の最高神達だった。
既に、肉体的には成熟の域にあるのが、太陽神、天照。
ただ、その対となる夜の女神、夜姫はまだ幼かった。
夜姫は直ぐに、天照に恋をする。
天照は、まだ小さな少女である夜姫を、正直持て余す。
天照としても、夜姫は気になる存在。
ただ幼い彼女に、素直な恋慕の念を抱いていいのか、天照は戸惑いを覚えていて……?
天真爛漫で一途な夜姫の恋心は、天照に届くか?
夜姫との関係に関しては、まだ成熟の域には達していない天照は、どんな結論を出す?
ある意味、乙女✖乙女な恋愛劇。
気になるあの人は、いま何を想う?
気になるあの人は、何を求めている?
二人の最高神は――いま純愛の真っただ中。
夜姫と太陽神、少女と青年。
対極にいるようでいて、どこか惹かれ合う二人の邂逅から始まる物語。
けれど、その出会いに至る前から、すでに街の空気そのものが物語として息づいているように感じられました。
心優しい屋台の主人、果実飴の甘さ、少年とのささやかなやりとり。賑やかな街の気配。
そのひとつひとつの描写がとても丁寧に積み重ねられていて、まるで漫画やアニメのワンシーンの中にそっと、入り込んだような感覚になります。
文章は静かでありながら、青い炎のように内側でやわらかく燃え続けていて、その熱は決して派手ではないのに、確かに心に残ります。
まだ序盤のみの拝読ではありますが、それでもすでに、作者様の想いが丁寧に込められた作品だと感じました。
もしよろしければ、ぜひこの世界をのぞいてみてください。きっと、静かに心に灯るものがあると思います。