概要
離縁した事で、少女の運命は静かに動き出す。
白羽(しらはね)の山の奥深く、神の血を引く巫女の一族に生まれた宵(よい)は、十四の春に「暁(あかつき)の王家へ嫁ぎ、契りをもって加護を授けよ」という神託を受ける。
それは、神子(みこ)として生まれた彼女に課せられた、逃れられぬ宿命だった。
東の大国「暁国」の王太子に嫁いだ宵だが、婚姻初夜から夫に冷たく突き放される。
「お前は、子を産む器として迎えただけだ。心は別の女にある」
という言葉は、宵の心を深く傷つけた。神の器として誇り高く生きてきた彼女は、王宮でただの道具として扱われ、妃たちからも蔑まれる孤独な日々を送る。婚姻から三年が経っても子を授からず、ついに宵は『用済み』として離縁を言い渡され、王宮から追放されてしまう。
行き場を失い、雪深い山中を彷徨っていた宵を救ったのは、北方の国「燈羽
それは、神子(みこ)として生まれた彼女に課せられた、逃れられぬ宿命だった。
東の大国「暁国」の王太子に嫁いだ宵だが、婚姻初夜から夫に冷たく突き放される。
「お前は、子を産む器として迎えただけだ。心は別の女にある」
という言葉は、宵の心を深く傷つけた。神の器として誇り高く生きてきた彼女は、王宮でただの道具として扱われ、妃たちからも蔑まれる孤独な日々を送る。婚姻から三年が経っても子を授からず、ついに宵は『用済み』として離縁を言い渡され、王宮から追放されてしまう。
行き場を失い、雪深い山中を彷徨っていた宵を救ったのは、北方の国「燈羽
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