概要
『人間ドラマ×五行思想×ダーク系和風異能ファンタジー!』
*心理描写6割、戦闘描写4割くらいの体感で、スピード感よりキャラの関係性を重視した作品です。
───『於爾(おに)』と呼ばれる、人間の煩悩から生まれる異形のイキモノが跋扈する国、『爾溢(にほん)』。
その『於爾(おに)』を数千年にわたり退治し続けるのは、『あ』から始まる異能を持つ五家。
そんな時代で主人公───雛美 恭介は高校二年生という青春の真っ最中に、一人の少女と運命的な出会いをすることになる。
安曇 永遠子という少女は、とにかく天真爛漫で。そしてどこか不思議な魅力がある人物だった。五家の頂点に
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!令和ならではのオニ退治
恭介の「心を色と器で見る眼」という発想がとても新鮮で、ただそれはこれ見よがしな能力ではなく、ベクトルはおもに心へ向くことになる。
かたや明るく振る舞いながらも傷を持つ永遠子は、『於爾(おに)』を退治する五家の一員で予言能力を持っている。
理不尽な立場ゆえに運命に抗う彼女の繊細な心に触れるたびに、応援せずにはいられない気持ちになりました。
「見えてしまう」ことは良いことなのか、はたまた…
なにより本作の魅力は丁寧な心理描写であり、戦闘の中にあってさえも、その根底には使命感や葛藤が渦巻いているのがわかります。
なかなかこうも独特の世界観を広げながら、個の心情に迫ることはできないもの。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心を視る少年と向日葵の少女の和風異能譚
第壱話から第玖話まで拝読させていただきました。
この物語で強く惹かれるのは、恭介の「心を色と器で見る眼」と、永遠子の〖予言〗が、単なる特殊能力ではなく、二人の孤独や傷を結び直すための装置として機能しているところです。
学校でのやり取りは瑞々しく愛らしいのに、その裏では『於爾』や五家、五行思想に基づく世界観がしっかりと息づいていて、青春と異能バトルが無理なく溶け合っています。
作者の小説に対する天才的な資質を感じました。
さらに『木』の領での出来事や、永遠子が「守られるだけではいられない」と向き合う第玖話まで読むと、可憐さの奥にある痛みと強さが見えてきて、続きへ進まずにいられません。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!和と異能の花香る、美しき幻想ファンタジー
<爾溢(にほん)>——現実の日本と分岐したかのような幽玄で神秘的な世界観です。
語彙やロケーションには絶えず宗教的なモチーフが融け込み、時折忍び寄る妖しく悍ましい気配さえも、陰と陽の美しさを織り成す1ピースです。
そこに生きるのは、圧倒的なヒロイン力を持つ永遠子。
時に笑い、時に悩み、怯え、それでも戦う等身大の少女です。
そんな彼女のひたむきな輝きには、登場人物のみならず読み手の心まで委ねられ溶かされてしまうことでしょう。
けれどプロローグで語られた「事実」が、不吉な予兆となって脳裏にチラつき続ける……。
だからこそ、彼女が生きる今この瞬間の尊さを際立たせてくれるのかもしれません。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!残酷さと美しさが交錯する、読み応えのある一作
人の煩悩から生まれる異形『於爾』という設定がまず強烈で、和風ファンタジーとしての世界観に一気に引き込まれました。
数千年にわたり『於爾』を討ち続けてきた五家という存在が、歴史の重みと因習を感じさせ、物語全体に不穏で張り詰めた空気を与えています。
その一方で、高校二年生の恭介と永遠子が過ごす日常は驚くほど瑞々しく、天真爛漫な永遠子の存在が、重苦しい設定の中で確かな光となっていました。
悩みを抱えた恭介の世界が、彼女との出会いによって色づいていく過程は丁寧に描かれており、読者も自然と二人の距離感に心を寄せてしまいます。
青春のきらめきの裏側で確実に増え続ける『於爾』、そして五家が抱…続きを読む