概要
───『於爾(おに)』と呼ばれる、人間の煩悩から生まれる異形のイキモノが跋扈する国、『爾溢(にほん)』。
その『於爾(おに)』を数千年にわたり退治し続けるのは、『あ』から始まる異能を持つ五家。
そんな時代で主人公───雛美 恭介は高校二年生という青春の真っ最中に、一人の少女と運命的な出会いをすることになる。
安曇 永遠子という少女は、とにかく天真爛漫で。そしてどこか不思議な魅力がある人物だった。五家の頂点に立つ安曇の出でありながら気取ったところがない彼女に、恭介はゆっくりと惹かれていく。
恭介が抱える悩みを受け入れた少女は、彼が知らないことをたくさん教えてくれて。ただ過ぎていくだけの日々だった
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!和と異能の花香る、美しき幻想ファンタジー
<爾溢(にほん)>——現実の日本と分岐したかのような幽玄で神秘的な世界観です。
語彙やロケーションには絶えず宗教的なモチーフが融け込み、時折忍び寄る妖しく悍ましい気配さえも、陰と陽の美しさを織り成す1ピースです。
そこに生きるのは、圧倒的なヒロイン力を持つ永遠子。
時に笑い、時に悩み、怯え、それでも戦う等身大の少女です。
そんな彼女のひたむきな輝きには、登場人物のみならず読み手の心まで委ねられ溶かされてしまうことでしょう。
けれどプロローグで語られた「事実」が、不吉な予兆となって脳裏にチラつき続ける……。
だからこそ、彼女が生きる今この瞬間の尊さを際立たせてくれるのかもしれません。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!残酷さと美しさが交錯する、読み応えのある一作
人の煩悩から生まれる異形『於爾』という設定がまず強烈で、和風ファンタジーとしての世界観に一気に引き込まれました。
数千年にわたり『於爾』を討ち続けてきた五家という存在が、歴史の重みと因習を感じさせ、物語全体に不穏で張り詰めた空気を与えています。
その一方で、高校二年生の恭介と永遠子が過ごす日常は驚くほど瑞々しく、天真爛漫な永遠子の存在が、重苦しい設定の中で確かな光となっていました。
悩みを抱えた恭介の世界が、彼女との出会いによって色づいていく過程は丁寧に描かれており、読者も自然と二人の距離感に心を寄せてしまいます。
青春のきらめきの裏側で確実に増え続ける『於爾』、そして五家が抱…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「迷惑じゃないって……もう言ってはくれないのね。酷い人」
安曇 永遠子には【予言】の力がある。
於爾(おに)から人を救うための能力であるにも関わらず、未来が見える能力と勘違いされ、周囲からの期待は増す一方だ。
だが、そんな永遠子でさえも予言しきれないことがある。
彼女の異能に興味がないどころか、見返りを求めずに立ち去る男子生徒が存在することに。
「まだ、お礼も言えてないのに。そんな人、初めて」
運命の再会を果たしたのは、それから1年後のことだった。
男子生徒の名前は雛美 恭介。
恭介を「常に見ている」永遠子は、彼の秘密である『眼』を人質に、執着を開始する。
「何度も言わせないで。貴方じゃないと、意味がないのよ! 」
やがて永遠子と恭介の距…続きを読む