主人公はわずか十歳の第四王子・バルトロメウス。王宮内では第二王妃派や他の王子たちが暗躍する中、彼は優秀な長兄である王太子・テオドールの陰で、密かに自らの力を蓄えながら静かに過ごしていました。
しかし、二人の母の命日という最悪のタイミングで、王太子が急死するという衝撃的な事件が起こります。頼れる長兄の死により、かろうじて保たれていた宮廷内の「均衡」は完全に崩壊。国王が悲しみに暮れる中、次期王座を巡る醜い権力闘争が幕を開けようとしていました。
本作の魅力は、まだ十歳という幼さでありながら、悲しみを押し殺し、冷徹なまでに現状を分析して先を見据えるバルトロメウスの底知れぬ器量にあります。王太后からの「必ず力をつけて帰ってきなさい」という言葉を胸に、彼がこれからどのような「選択」をし、荒れ狂う権力闘争を生き抜いていくのか。
重厚な世界観と緊迫感のある心理描写に引き込まれる、本格的な宮廷政治ファンタジーとして強くおすすめしたい作品です!