あのような幼少期を過ごしたことは、不幸だった。
しかし幸いなことに、彼の人生はそれで終わりにはならなかった。
生き延びるための避難場所、彼を慈しむ家族や友人が、まだ残されていたから。
けれど、たとえ幸せな日々を送っていたとしても、
心の深層で既に死んでしまった少年にとって、
鼓動を止めた心臓では、その幸せを支えきれない。
だから彼は、重大な決断を下した。
この幸せな港を離れ、旅立つことを。
待ち受けるのは、新しい環境、未知の冒険、そして命の危険さえも。
それでも少年は怯まず、決意は固い。
死んだ心は死をも恐れず、死んだ心は再生を渇望しているのだから。
たとえ旅路の果てで、最後の“オレ”がもう“オレ”ではなくなろうとも、
この心、この意志だけは、きっと受け継がれていく。