概要
事件は起きないが、少しずつ動く心。何か大切なことを思い出す小説。
滋賀県大津市に住む中学生のヨウスケは、ある日、父親から聞いた、京都の疏水分線の際を歩いてみます。その流れから様々な想像をめぐらすヨウスケ。その想像の話を聞いた姉と、ひょんなことから、山梨県に家族旅行に行くことになり、そこで見た富士山の雄大な姿から、ヨウスケと姉の人生の転機が生まれます。高校生と中学生の姉弟の成長の情景が、二人のやり取りで浮かび上がる、軽快なお話です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!疏水分線が導く人々の未来
テーマが一貫していて、とても美しい物語でした。
京都や滋賀、新宿から富士山までをカワズル姉弟と、未来を想像しながら進む温かく明るい物語です☘️
また、登場するキャラクターたち全員の息遣いを感じられて、誰一人記号になっていないのが素晴らしいなぁと思いました✨
それぞれに未来があり、背景があり、それを丁寧に描写する技術には驚かされました。
なにかショッキングな出来事が起こるわけでもなく、でも心に温かい田舎の風景が呼び起こされる素敵な作品です。
三部作ということで、残りの作品も読ませて頂きます⭐︎
ちなみに、私はスピンオフの方から先に読んでしまったのですが、それでもとても楽しめました☺️この人…続きを読む