概要
◇◇◇
小六の少年、乾瀧人は心を病み、不登校になった。一念発起して新しくやり直すために、生まれ育った町――水尾市に転入生として父親と共に戻って来る。
そこは幼稚園以来の幼なじみである榊光士郎と香坂芹里菜、そして八神透子が住む町。七月初旬に六年三組に転入した瀧人は、学習に対するトラウマを発症しながらも、光士郎や芹里菜と小学生生活を送る。
その中で瀧人はクラスメイトから不思議な話を耳にする。それは、担任の月城達也は宿題に魔法をかけられるというもの。六年三組では、子どもたちは毎日の宿題を大歓迎しており、瀧人は彼らの態度に違和感を持つ。
夏休みに入ると、ラジオ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!希望の魔法に掛けられて。
例えば私が小学生だったとして、学校の図書室にこの作品があったなら、繰り返し借りては読んで、終生忘れ得ぬ名作として、老年に至ってもなお心に留めていたでしょう。
『――宿題なんて、クソだ。』
この一文から始まった物語が、心くすぐる数々の秘密や複雑に絡み合う心情描写、誰もが懐かしく思い返す夏休みの愛しい思い出に導かれ、壮大な冒険譚となって子供達の成長を見届けた上、爽やかな読後感と共に幕引きを迎える――本当に感動するお話でした。
大人の立場から読んでみると『大人だってみんな、魔法使いになれるんだよ』そんな囁きも聞こえてくるようでした。
優しさと希望に包まれた一夏の物語。
この作品に掛けられた魔…続きを読む - ★★★ Excellent!!!先生ってほんとうに魔法使いかもしれない
子どもの成長って大人が無理やりさせることはできなくて、子どもたち自身が失敗したり成功したり、傷ついたり回復したり、衝突したり和解したりしながら、自分の足で前に進んでいくもの。その努力と勇気がやがて自分の問題を自分でなんとかする力になっていく。でもそれは時に迷い、時に挫けて膝を折ってしまう道のり。そんな時に道を示し、手を取って立ち上がるのを助ける、それが先生という、ほんの少し「先を生きる」存在かと。決して万能ではないけれど、子どもたちにとっては小さな魔法で自分たちを助けてくれる人。
本作はそんな先生のありようを寓話的に描く物語であるとともに、何より子どもたち自身が自らの足と心で踏ん張って前…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『学び』について考える。
心に傷を負った少年が、戻ってきた学校の先生には魔法が使えました。
主人公は、過去のトラウマから『宿題』ができない体質になってしまいました。
それを聞いて単なるサボりでは? と思われるかもしれませんが、
ここがまず一つ乗り越えなければならない壁なのでございます。
サボりではなく、心の炎症なのですな。
なんと、ドリルに自分の名前も書くことすらできないのですから。
しかし、一度遠くに引っ越した主人公が帰ってきた街の、学校の担任には、
生徒たちが『宿題』を思わずしたくなる、ある魔法が使えるのにございました。
夏が始まります。久方ぶりに会う友人たち。
そして、一向に進まない宿題。…続きを読む