これはホラーでミステリー!? 妻の死から始まる不条理。

最愛の妻の死、から物語が始まります。
すっかり葬儀を終えて、骨覆に包まれた骨壷が目の前にあります。

そして、もうすっかり気力を失っている主人公。



ここから不条理劇が始まるのにございますな。

妻が帰ってきちゃうんです。

それで何気ない日常がそれこそ暴力的に始まるのですが、
このあたり、名作落語の『粗忽長屋』あたりを彷彿としますな。


私はね? 最初は妄想だと思ったんですよ。
死んだはずの妻が帰ってきた妄想。

しかし、読者がそのあたりの想像をするのは作家先生にはお見通しだったようで、
ちゃあんと、妻しか作れなり肉じゃがが調理されて、二人で美味しくいただきましたとさ。



では何か?

誰かが死んだ方が妄想なのか?



ここから先は無限に答えが広がりそうなので、一意見ですがね。

過去に一時話題になった、『家内が家で死んだふりをするのですが』というネット掲示板の書き込みを思い出しました。

まあ、まだ子供の居ない新婚なのか、それともあえて子供を作らない家庭なのかは分かりませんが、
常に夫婦関係を新鮮に感じたい人は何か奇特な事をしたがるのでしょうな?


この主人公の、骨壷と喪服も、それかなあ?
毎日、妻は死んだものだと想像をすることによって、夫婦生活を新鮮な物と感じ、
妻に対して、生きていてくれてありがとう。と感謝の気持ちをもつ。

まあ斬新なやり方ですが、
本気でやっている人がいると思うと、なんだかそれも滑稽ですし、気味が悪いですやね。




答えは読者の数だけあると思いますが、
私が考察したのはこの辺りでした。



愛情と記憶と疑念の迷宮。

一歩足を踏み入れたら抜け出せなくなるやもしれません……ご注意を。


ご一読を。
































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