祝辞は「禁忌」。謎の風習の先に待つ、戦慄の真実とは。

「結婚式」という、誰もが知る幸福の象徴が、これほどまでに不気味な違和感へと変貌する物語があっただろうか。

舞台は、深い因習に囚われたある村の披露宴。新郎の友人として招かれた主人公を待っていたのは、私たちが知る「お祝い」とは正反対の光景でした。飛び交うのは怒号と悪罵。マイクを握る列席者たちが、次々と新郎新婦へ浴びせる凄まじい罵詈雑言。

「祝は口にて呪となる」

この村に伝わる不可解な教えには、一体どんな意味が隠されているのか? なぜ彼らは、祝辞を「呪い」として恐れ、徹底的に忌み嫌うのか?

物語は、都会から来た「部外者」である主人公が、宴の中でマイクを突きつけられることで臨界点を迎えます。村人たちの冷ややかな視線と、事前に新郎の父から受けた「警告」。極限の緊張感の中、彼が選択した「最初の一言」が、会場のすべてを一変させていきます。

読み進めるほどに積み重なる謎。そして、村人たちの正体が明かされたとき、読者はこの風習に隠された「あまりにも残酷なロジック」を目の当たりにするでしょう。

言葉が持つ真の意味を問い直す、鮮やかなミステリー。最後に待ち受ける光景は、救いか、それとも破滅か。その真相は、ぜひ最後まで見届けてください。

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