ソイツは影を潜めている。けど、たまに現れる。かつて、ヨーロッパの小国にチョビ髭の男が現れた。彼は演説が上手かった。彼の言葉に、人々はシビレた。そのシビレは伝染し、世界を巻き込んだ、大きな争いが始まった。争いは暴力を正当化する。さっきまで優しかった夫が銃を握る。ソイツのせいだ。時は経ち、ソイツは影を潜めている。力を蓄えている。
卵。丸く、愛らしい、未来が詰まっている物。この卵は違う。少年の未来はどこへ?親の願いの行き着く先は?日常の何気ない隙間、温かい掌のすぐ外側に潜んでいる「卵」。中身を確かめた時にはもう遅い。常に心を向けていなくてもいい。ただ、どこにでもある事を。自分の胸にもある事を。決してなくならないことを。覚えておかなければならない「卵」。広い空の下で小説が読める内に、大人ならば、読んでおくべきです。その卵を孵さない為に。
卵の話(詩)である。ヒトなら誰しもこの卵を持っている。遥かな遠い昔、私達が猿の様な存在からヒトに成った時、「前頭葉」というモノが著しく発達し、この卵を生んだらしい。「卵」は今日も思考し、喜び悲しみ悲しませ、争い、人をコロしている。
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