切なくも美しい物語

 重厚な物語が流麗な文章で紡がれていて、冒頭から結末までずっと圧倒されていました。

 双樹の国、そこには女神伝説がある。
 遠い昔、この国の皇帝と花の女神が恋人になった。
 女神の名は暎花。二人は愛し合っていたが、皇帝は出来心で浮気してしまう。怒った暎花は花の神の国へと帰り、昼夜問わず詫び続ける皇帝にこのような内容のことを言う。
 今生ではもう会わないということ、もし皇子が生まれたらそれは皇帝が転生した姿であり、そのときは自分もどこかで転生しているから、また見つけられたらあなたのものになる、と。

 さて、そんな伝説のある国で、140年振りに皇子が産まれた。女神の化身は皇子が9歳のときに見つかった。

 その化身が本作の主人公の翠だ。
 彼女は皇子と結ばれる運命にある。
 しかし、翠には玲という好きな人がいた。
 玲は幼い頃、親に捨てられた主人公を救ってくれた男だ。
 彼には夢があった。その夢を諦めてまで翠の傍にいてくれている。

 このまま誰の夢も叶わないのか?
 みんな伝説に翻弄されたままなのか?
 翠と玲は幸せになれるのか?

 最後まで読めば、大きな感動が待っています。
 是非この美しい物語を読んで、翠と玲の行く末を見届けてください。

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