概要
ぼくは河童に変身できる。ハゲるリスクと、引き換えに。
鴨川には河童が住んでいる。たとえばうちの親父とか。
伏見桜伊江郎は河童と人間のハーフである。十五歳の誕生日を迎えたその日から、伊江郎の体はその血の呪われた宿痾に蝕まれ、肉体が河童に近づきつつあった。
手には水かき。背には甲羅。口には嘴。そして頭には——皿。
ツルッツルの。
めっちゃ綺麗な。
髪の毛一本生えない、皿。
そう、体が河童に近づくとは、頭に皿ができるということ。
転じて言えば——ハゲるということ。
伊江郎は、高校二年生にしてハゲの危機に見舞われていた。
体を河童に近づけぬため、目指していた水泳選手の夢も諦め、ひたすらに己の頭髪が抜け落ちぬことを祈る日々を過ごしていた伊江郎だったが、しかしそんな彼の元に、様々なトラブルが舞い込み——
この小説はハーメルンにも投稿
伏見桜伊江郎は河童と人間のハーフである。十五歳の誕生日を迎えたその日から、伊江郎の体はその血の呪われた宿痾に蝕まれ、肉体が河童に近づきつつあった。
手には水かき。背には甲羅。口には嘴。そして頭には——皿。
ツルッツルの。
めっちゃ綺麗な。
髪の毛一本生えない、皿。
そう、体が河童に近づくとは、頭に皿ができるということ。
転じて言えば——ハゲるということ。
伊江郎は、高校二年生にしてハゲの危機に見舞われていた。
体を河童に近づけぬため、目指していた水泳選手の夢も諦め、ひたすらに己の頭髪が抜け落ちぬことを祈る日々を過ごしていた伊江郎だったが、しかしそんな彼の元に、様々なトラブルが舞い込み——
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