本日、エピローグ『鉄の鎮魂歌』を公開し、『還俗の刃 ――能登・長連龍の復讐――』は完結いたしました。
復讐のために仏を殺し、修羅となった男・長連龍の旅路にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
エピローグで利家の「盾」となることを誓った連龍。
史実においても、彼はその後、前田家の家臣として重用されます。
面白いのは、彼はただの「猛将」で終わらなかった点です。
利家の死後も生き続け、関ヶ原の戦いや大坂の陣にも高齢をおして参陣しようとするなど、死ぬ瞬間まで「戦場の犬」としての牙を失わなかったと言われています。
また、能登の田鶴浜に「長家の菩提寺」を建立し、一族の霊を弔うなど、晩年は領民からも慕われました。作中の彼が抱えた「空虚」は、長い時間をかけて埋められたのかもしれません。
僧侶が還俗して復讐鬼になる」というハードなテーマでしたが、皆様の応援が、連龍の刃を研ぐ砥石となりました。
彼が最後に見た「澄み渡った空」を、共に感じていただけたなら幸いです。
■次回作予告:『凶賽 ―奇兵隊・裏始末―』
戦国の世が終わり、時は流れて――幕末。
次の主人公は、長州藩の革命軍・奇兵隊。
ただし、教科書に載るような英雄の話ではありません。
維新の光の裏側で、血と泥にまみれた「掃除屋」たちの物語です。
「英雄が歴史を作る。俺たちは、その足元の泥を拭う」
舞台は慶応元年、長州。
革命の狂熱に沸く「奇兵隊」の裏には、汚れ仕事を請け負う一組の影がいた。
すべてを失った人を斬ることにしか生の脈動を感じない剣客・久坂部鋭(くさかべえい)凄腕の狙撃手・テツ。
性格も戦い方も正反対の二人が、倒幕という巨大な博打の裏で、命を賭け凶運の賽を振る。
明日より、連載開始します。
新たな戦場でお会いでれば幸いです。