「都市怪談」を含む小説

　リサイクルショップで購入した古い老婆の置物をきっかけに、女性の暮らす家で不可解な怪現象が起こり始める。観葉植物は一夜にして枯れ果て、暖房をつけても室内は凍りつくような寒さに包ま…

鬼や天狗のような古典から、くねくねやコトリバコのようなネットロアまで、古今東西の怪談に材を取った短編集。 各話800字以下なので、速い人なら1分、遅めの人でも2分ほどで読むことが…

「奇妙な話でした。くねくね、メリーさん、八尺様……有名な怪談ばかりです。でも、その怪談の怖さは、呪いや幽霊じゃなくて、チェーンソーで成り立っていたんです」 不幸や呪いに頼ってら…

SNSに投稿された、たった数行の文章。 最初は誰も気に留めなかった。 だが、読む人が増えるほど 現実に説明のつかない異変が起き始める。 これは記録なのか、創作なのか。 それと…

年末の神社で、巫女服を着た友人と軽い気持ちで行った「神降ろし」。 願ったのは、ただ“自由になりたい”という思いだけだった。 だがその瞬間、世界の前提が静かに反転する。 誰にも気づ…

　遠縁の親戚の死により、唯一の相続人として一軒家を受け継いだ淳は、家族四人で内見のためその家を訪れる。家具や生活の痕跡は生前のまま残されており、家には人の不在とは裏腹な“気配”が…

文化祭の企画が潰れた電子音楽部は旧都市研究部が残した怪談を発見し、ぞんざいに編纂して展示した。それはさして恐ろしいものでもない粗末な企画だったが、失踪したある生徒の行方について、…

　霊能力者・間宮響子のもとに、「スマホの写真が瞬きし、口を動かす」という不可解な依頼が舞い込む。調査を進める中で、響子は電磁波を媒介として霊がスマートフォンへ憑依し、画像フォルダ…

ある日突然、差出人不明のからくり箱が届いた。 ヒノキの香りがする、美しく仕立てられた木箱。 封筒には、自信の名前だけが丁寧な文字で書かれている。差出人は不明。 軽い好奇心で仕掛け…

皆さまのお寄せいただく報告をお待ちしております。 これはある定食屋に関するお話であり、特殊調査の内容です。 よろしくお願いします。 ※大変恐縮ですが、酷評でも構いませんのでレビ…

つかまえた

深淵は形のない「モノ」がはびこる世界。彼らはいつの日か形を得るべく、常に「こちら」を覗いている。入れ替わる贄を選ぶために。

　霊能力者・間宮響子は、「夜になると誰もいない病棟で回診が行われている」という不可解な噂を調査するため、地方都市の総合病院を訪れる。問題の七階東病棟はすでに閉鎖されているはずの場…

　駅前の雑居ビル火災の跡地近くで、男がダイヤの指輪を拾ったことをきっかけに、不可解な怪我と予知めいた痛みに苛まれるようになる。霊能力者・間宮響子は相談を受け、指輪に宿る禍々しい怨…

　霊能力者・間宮響子は、深夜二時過ぎ、自分の名前を正確に呼ぶ正体不明の存在から電話を受ける。「私は私を見ている」――その不可解な言葉に導かれ、響子は古いマンションの一室を訪れる。…

　霊能力者・間宮響子のもとに、深夜二時、正体不明の女から奇妙な電話がかかってくる。「もう私は私ではない」――そう告げた声は、背後に“もう一つの呼吸”を伴っていた。翌日、響子が訪れ…

スマホゲー。出席管理システム。QRコード。VR婚。SNS。などなど 現代人が「避けられない」様々な現象が怪異となる。 １話完結の短編集。 毎日１話更新します。 目標は百物語で怪異…

　霊能力者・間宮響子のもとに、深夜、一本の電話が入る。 「兄が、兄ではなくなった」――高校生の少女・桜井麻里からの訴えだった。兄は数年前、深夜に再生数わずか一の正体不明の動画を…

7月7日。何気ない一日が、少しずつ噛み合い始める。 偶然の当たり、重なる幸運、軽い冗談。 「今日はツイている」――ただそれだけのはずだった。 日常の延長線にあるはずの幸福が、静か…

　霊能力者・間宮響子は、深夜の相談帰りに乗ったタクシーで、現実と異界の境界が曖昧になる怪異に遭遇する。外灯の消えた道で乗り込んできた“女”は、霊とも人ともつかない存在で、声なき会…