非常に興味深い考察と、壮大でロマンあふれる物語が、一人の少女を通して織り成されます。
私的な話で恐縮ですが、生まれてから二十歳くらいまでを福岡県で過ごしました。私も歴史が好きで(これほど詳しく調べるようなことはありませんでしたが)、遺跡や神社に足を運んでは夢想に耽っていた少女時代を思い出し、近況ノートに挙げられている写真などを拝見しながら主人公の旅路に思いを馳せ、胸に募る思いに思わず涙が溢れました。
参考資料の明記なども明確で、ご自身で撮影されたのであろう写真の添付も興味深く、物語の体裁が取られてはおりますが研究書としても興味深いです。
私はまだ1章しか読めておりませんが、この先を楽しみに読ませていただきたいと思います。
とても素敵な物語をありがとうございます。
物語は、奈良の巨大な湖や空飛ぶ船という、衝撃的な悪夢から始まります。
主人公の弥沙(みさ)は、ありふれた女子学生の19歳。彼女は人間の言葉を話す白猫のハルや、不思議に光る古書に導かれ、地元・福岡の那珂川(なかがわ)に眠る「奴国(なこく)の記憶」へと足を踏み入れていきます。
本作の面白さは、単なるファンタジーにとどまらない圧倒的なリアリティです。
緻密な地域描写とSF的な謎が見事に融合し、ページをめくるたびに足元の常識が音を立てて崩れていくような知的興奮に満ちています。
『日本書紀』の矛盾や、「武内宿禰は青年だった」という謎の証言。実在する地名や地形のパズルが解き明かされるたび、私たちが信じていた「通説」が音を立てて崩れていく快感は鳥肌ものです。
神功皇后や武内宿禰といった歴史上の人物たちが、泥にまみれながら泥臭く生きた「血の通った人間」として生き生きと蘇ります。
これは、土地の泥と水が千八百年守り続けてきた、血の通った神々への鎮魂歌であり、歴史の常識を覆す壮大な「夜明け」の物語。
未知なる古代の熱狂を、ぜひその目で目撃して下さい!
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本作は、まず、タイトルに痺れます。
かっこよすぎます。
内容は、ただの「前世もの」とは一線を画す奥深さに魂が揺さぶられます。
白猫のハルや不思議な本に導かれていく導入や、冠の青年との再会シーンなど、登場人物たちの魂が反応し合う描写が非常に美しく、胸が熱くなる筆力をお持ちの作者さまです。
作者様の手腕はそれだけでなく、不思議な没入感を作り上げることに成功しており、読み進めるほどに、主人公たちと一緒に、古代の日本を旅しているような一体感を得ることができます。
そして、難解になりがちな古代史や記紀の神話の解説を物語の中に自然に落とし込んでおり、作者様の神話への造詣の深さがそのまま作品の奥行を作り出しています。
不思議な白猫に導かれた少女が、各地の神社伝承や歴史の違和感を紐解き、1800年の時を超えて「二柱の天照」と邪馬台国の封印された真実へと迫る、知的興奮と情熱に満ちた壮大な歴史伝奇ミステリー。
タイトルに痺れた方は是非そのままお読みいただければと思います。
おすすめいたします。
神社に残る伝承、古い文献、土地の名前、そこに実際にある石や社。
一つ一つは断片のようなのに、弥沙たちが歩き、見て、考えていくうちに、ばらばらだったものが少しずつ線になっていきます。
この物語は、日本神話をそのままなぞるのではなく、神話の綻びや、土地に残された違和感を拾い上げていくところが印象的でした。
高良神、神功皇后、住吉神、安曇磯良神、物部、饒速日命。
名前だけ見ると難しそうなのに、弥沙やハルたちと一緒に現地を歩いているように読めるので、不思議と引き込まれます。
記紀や神秘書、各地の神社伝承が合わせ鏡のように重なっていく感覚もあり、ただの知識ではなく、誰かが残そうとした祈りや痛みとして伝わってくる作品です。
おすすめです♪
この作品の面白さは、神話や伝承を単なる知識として並べるのではなく、一つひとつを現地の風景や人々の記憶と結びつけながら、新しい物語として再構築しているところだと思います。那珂川という実在の土地を歩きながら、神功皇后や住吉神、邪馬台国の謎へ迫っていく展開は、まるで読みながらフィールドワークをしているような感覚でした。
特に印象的だったのは、「神話は過去の作り話なのか、それとも誰かの記憶なのか」という問いです。歴史と伝承の境界を優しく揺らしながら、壮大な謎へ導いていく手腕に引き込まれました。
考古学、地域史、神話、そしてSF的想像力。その一見離れた要素が自然に溶け合い、他ではなかなか出会えない独創的な世界を生み出しています。
派手な戦いではなく、伝承や土地の記憶を手掛かりに真実へ近づいていく知的な面白さがあり、歴史好きにもファンタジー好きにも刺さる作品でした。読み終える頃には、私たちが当たり前に信じている歴史の向こう側を覗いてみたくなっていることでしょう。
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